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23話 ページ26

【A】


それから時がたち、中学生となった。




クラスは離れてたけど必ず帰りは一緒に帰るほど仲がよかった。




中学生になると愛蔵も大人びて男の人みたくなっていた。



身長も私より高くて愛蔵も弟だけどしっかりしていて‘兄’みたいだった。




愛蔵を男と意識してから1年たって中学2年生になった。




『っ.......ぅう....』




中学1から弓道を始めて試合にも出て活躍出来るようになって、3年生が最後の試合だから優勝したくて頑張った。




必死に努力してのぼりつめてきたのに最後の最後で負けた。




悔しくて、やるせなくて、申し訳なくて、涙が止まらなかったとき、帰り道ただ黙って隣を歩いてくれて、回りの人に泣いているのがバレないように気を使ってくれて、頭の上にポンとタオルをのせてくれた。




そんな優しさや男らしさ、歌声に惹かれた。




好きだと気づいて中2の冬




『はぁ〜....寒い....』




帰り、愛蔵の事を下駄箱で待っていた。




なかなか来ないもんだから心配になって教室へと引き返した。




教室から声が聞こえて思わず立ち止まった。




女「柴崎君の事が好きです!付き合って下さい」




愛「ゴメン。俺、異性嫌いだから。」




女「っ...!!」




あぁ.....そっか。そうだよね。異性嫌いだもんね愛蔵は。




私は愛蔵の事を支えたい。守りたい。役に立ちたい。そう思って小学生の頃から何かあったら私の部屋で匿ったりしてた。




いらなかったんだ.....私は愛蔵の邪魔でしかなかった。愛蔵は優しいから私に言わなかっただけで本当は嫌だったんだよね。




気づいてあげられなくてごめんね。そして




『バイバイ』



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作者名:りる | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/141104261/  
作成日時:2021年1月23日 9時

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