【wt】書く予定のない短編 (ページ5)

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swさんのいとこ、4 ページ5

そこで私の入院している病室に来たのが諏訪洸太郎さんだった。
初めはすごいヤンキーみたいな見た目だな、とすごく失礼なことばっかり考えていた。
話を聞いていると洸太郎さんは私のいとこらしくそういえばそんなお兄さんいたなぁ、と少しだけ思い出した。
私が洸太郎さんのことを思い出してきたころに洸太郎さんから切り出されたのは退院後はあの親戚の元には戻らずに洸太郎さんのお家でお世話になる、ということだった。
なんだかんだ言ってあの親戚も鬼じゃないのか、それともただ厄介払いで洸太郎さんに擦り付けようとしただけなのか、まぁともかく私は退院した後洸太郎さんの家に行く、ということだった。

ピヨピヨ、と音が聞こえ意識が戻る。
横断歩道が青になったことを確認し渡る。
約半年前のことではあるが思い出し感傷に浸っていた
洸太郎さんと暮らし始めて最初の頃は色々とあって苦い思い出というかあまり人に言えないようなことばかりだが洸太郎さんの家に来てよかった、とは思っている。
そういえば今日は飲んで帰るから遅くなるって言ってたな、でも泥酔して帰ってくるだろうからなにか胃に優しいもの作っておいた方がいいかな、と色々と考えながら帰る。

晩御飯とお風呂を済ませ洸太郎さんの帰りを待つ。
先に寝てていいとは言われたけど今日はなんだか一緒に寝たいな、と思いスマホをいじったりテレビを見ながらソワソワする。
玄関からガチャ、と鍵が開く音が聞こえ玄関に走って向かう。
「洸ちゃん！おかえ……え……？」
「おい、着いたぞ諏訪」
「あ……」
「ん？」
不審者！？と思ったが大柄な男の人に抱えられた洸太郎さんを見てぐるぐると頭が混乱してしまう。
「え、え……？う、えぇ」
完全にパニックになって目から涙が溢れ出す。
「え、おい、泣くな！」
「落ち着け！」
わかってる、なんとなくわかる。
この人たちは悪い人じゃない、洸太郎さんのお友達
そう頭では分かってるつもりだけど身体の方は思考と反してほぼ条件反射で泣き出してしまう。
「あ〜あ〜泣かないで、俺ら変な人じゃないからね」
「待て、とりあえず部屋の中に……」
「俺はまだ飲めるぞー！」
「お前ちょっと黙ってろ！」
「うぇぇえぇ〜」
べそべそと泣き始めてしまった私、酔っ払ってる洸太郎さんと洸太郎さんを抱えた筋肉、なんか太ってる人と髭の人、子供みたいに小さい人、現場は混沌を極めていた。
夜はまだまだ長くなりそうだ。