swさんのいとこ、2 ページ3
学校に着く頃にはもう12時50分になっていて昼休みが始まる頃だった。
急いで行けば生徒とはすれ違わないはずだから急いで保健室に行こうと足を早める。
「し、しつれぃしま…」
やましい事はなにもしてないけどただでさえ遅刻して授業も遅れて授業にまともに出ない挙句体調が悪い訳でもないのに保健室に来て何もせずに帰る、ということまで想像して色々な申し訳なさから声が小さくなる。
「あら、苗字さん」
私の存在に気づいた保健室の先生が声をかけてくる。
「す、すみません……」
「今日は来ないのかと思って心配してたのよ、今日は授業に出る？」
迷惑かけてごめんなさい、余計なことばっかりでごめんなさい。
「い、いえ、今日は、授業は、ちょっと…」
「そう、じゃあ保健室で自習しててね、先生やる事あるから出たり入ったりするけど気にしないでね」
了解の意味を込めて頷く。
もはや私専用の場所となっている部屋の一角に座り担任や各授業の先生にやるように言われて渡された今期の範囲を纏められたプリントを出し、教科書を見ながら解いていく。
「苗字さん、もう4時だけど帰らなくて大丈夫？」
先生に声をかけられ気づくともう時計の針は4時を回っていた。
「あ……えっと、帰ります」
「そう、苗字さんが来てたこと私から担任の先生には伝えてあるけど一応苗字さんからも言ってね。今なら職員室にいると思うから」
「わかりました、ありがとうございます」
先生にお礼を言ってから広げていた教科書と文房具を手早く片付け鞄に入れる。
「失礼しました」
頭を下げて保健室を出る。
廊下にはちらほらと人がいてドキッとする。
何も悪いことはしてないから気にしないようにするが1度気にしてしまうと気になってしょうがなくて誰もいないところに隠れたくなる。
怖い、そう思い普段は人気が少ない屋上の階段近くまで走る。
早いとこ職員室に寄って先生に挨拶だけして帰った方が早いとは思うけどなにより心の準備ができていないし人が多くて落ち着かない。
屋上のドアの前まで来れば誰もおらず切れた息を落ち着かせようとするが心臓がバクバクと脈を打って中々落ち着かない。
「う、うぅぅ〜〜〜」
泣きそうになってしまい屋上の扉に背を預け蹲る
泣きたくないのに涙が出る、外だからあまり泣きたくないのに、自然と涙が出てきてしまう。
それから何分経ったのか、体感だともう何時間も経ったように感じたがスマホの電源を入れて確認するとまだ16時半だった。
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作者名：こころ | 作成日時：2022年2月10日 23時
