雨の日に ページ2
.
目覚めたらそこは病院だった。
私は事故にあったらしい。一年半も眠っていたと聞いた。
その事故は相当酷かったらしくて、その時父を亡くしたらしい。
私は記憶が無い。世の中でいう記憶喪失。
事故前の記憶が無く、友達と家族以外何も分からない。
恋人がいるらしいけど誰なのか、どんな人なのか、分からない。
「お母さん、喉乾いちゃった」
母 「買ってくるね、待ってて」
喉が渇いた私は飲み物を買ってきてもらおうとお母さんに頼んだ。
お母さんが病室を出て5分後ぐらいにドアが開いた。
ジウン「A!」
見知らぬ彼が私の名前を呼びながら入ってきた。
ジ「A...良かった。目覚めてくれて。本当、良かった。」
「あの、ごめんなさい。あなたは誰ですか?」
ジ 「え...。俺が分かんない?ジウンだよ、カンジウン。Aの恋人」
「ごめんなさい、私記憶が無いみたいで。あなたのこと分からないの。本当、ごめんなさい。」
そう呟いた私は悲しそうに俯いた彼をどうすることも出来ずにただ見つめているだけだった。
しばらくしてドアが開いた。
母 「ジウン、来てくれたの。ちょっと話せる?」
〜 廊下 〜
母 「あの子、目覚めたんだけど記憶が無いらしいの。最初は信じられなったんだけど、事故前の記憶が無いんだって。私たち家族だったり親しかった友人の事は覚えてるみたいなんだけど、あなたの事は忘れてるみたい。本当、ごめんなさいね。」
ジ 「あの、Aの記憶は戻るんですよね?」
母 「一時的なものらしいから記憶は戻るんだけど、それがいつかは分からないの。本人にとって事故のことは思い出したくない辛い記憶でしょ。事故前の記憶を思い出すにはその事も思い出さないと。重要な事だけど、本人が望まないなら私達はどうすることも出来ない」
ジ 「そうですか...。あの、今日は帰ります。Aを不安にさせたくないし、また来ます」
母 「ごめんねジウン」
「お母さん、私あの人知らないんだけどお母さんの知ってる人?恋人だとか言ってたけど、本当にそうなの?」
母 「そうよ。ジウンがあなたの恋人だよ。分からないと思うけど、そうなの」
「...そっか。失礼なことしちゃったね私」
母 「今はしょうがないよ。ゆっくり思い出せば良い。その内、ジウンのことも思い出す」
「そうだね。...お母さん、アルバムとかあったら持ってきてくれないかな。なにか思い出せるかも」
母 「そうね、明日持ってくるよ。待ってて」
続く お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←こんにちは
9人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:suyon | 作成日時:2020年9月12日 22時