06.過去 ページ7
＊youside
"めんどくさい"
この言葉を思い浮かべない日はないだろう
学校自体は特に嫌いではない
だけど、好きかと言われたらそうでもない
可でも不可でもなくというやつ
だから登校する時間はいつもギリギリ
早く行く理由もないしね
こんな性格だからか、
転校してきてから1年くらい経つが
仲のいい友達と呼べる子は数える程
自分は人に対して執着を湧かないタイプだと思う
だから仲良くしてくれる子は、
私のそんなところを受け入れてくれる人達
いつからこんな性格になったのか
たぶん、小さい頃は今よりも
もう少し社交的だったような気がする
高校2年生の夏休み前まで
家族と東京に住んでいた
小学生の頃に病気で母を亡くしてからは、
父がずっとひとりで育ててくれた
母がいない分、大変だった事のが多いだろう
他の子と変わりなく成長できるように
他の子と同じだけ幸せになれるように
母がいた頃よりも父は仕事漬けになった
東京に住んでいた時は一緒に住んでいたが
父の始めた事業が成功したらしく、
海外への長期出張などで家を空けることが殆どだった
自分自身も頑張ってる父に迷惑をかけたくなく
独りで居ることが寂しいとは言えずにいた
いつの間にか"独り"が"普通"になり
誰かと接するよりもずっと楽だと思うようになった
特に思春期真っ只中の中学の頃は、
クラスの大半の女子から無視されるようになり
後から聞いた話だと大した理由はないらしい
リーダー格の女の子が無視しようと言い出して、
その子に逆らえなかった周りの子達も便乗した
ただ、それだけ
ある日突然そうなったもんだから
最初のうちは戸惑ったものの、
徐々にそれに慣れていく自分がいて
(めんどくさい.....)
どうせ、途中で切り離されるなら最初から
関わるのをやめればいい
そう思った中学2年生の夏
季節はどんどん移り変わり、
あまり良い思い出もなく中学校生活は終了した
高校は家から電車で何駅かの所にある
音駒高校を選んだ
中学時代の同級生が少ないという理由で
その学校を志望した
出来れば関わりたくなかったし、
せっかく高校に行くのなら
少しでも新しい環境が良かった
.
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作者名：yun | 作成日時：2022年3月17日 22時
