君を見つけた日。【角名倫太郎】 (ページ5)

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数日後

今日も朝練がない日
また普段より遅めの電車に乗り込む

適当に空いてる席を見つけカバンを下ろし、
イヤホンをつけスマホを出して曲をかける

(....あ、)

スマホから視線を前の方にやると
先日も居た人物が壁に寄りかかり窓の外を眺めていた

今日も居るな、なんて思っていたら
視線の先の人物と目が合い
ちょっと気まずくなり目線をスマホに逸らした

(あっぶな....)

まさか目が合うとは思ってなかった為
内心ヒヤっとした

普通に考えて、いきなり知らないやつが見てたら
誰だってちょっと気持ち悪いだろう

さすがに変人とは思われたくないしね

──────────

学校に着き靴を履き替え、自分のクラスに向かう

2年生は教室が3階にあり、
3年生は2階、1年生は4階にそれぞれある

階段を登る途中で3年生の階に差し掛かった時、
よく見慣れた人と会った

「！北さん...！おはようございます」

北「おお、おはようさん」

うちの男子バレー部をまとめる主将、北信介

何でも見透かされるような目と、
他者を寄せ付けない独特のオーラ
加えてぐうの音も出ない正論パンチ

正直この人に勝てるやつはうちの部にはいない

いや、学校中を探してもいないのでは...？

北「角名、いつもこの時間に来とるんか？
遅刻はしたらアカンで。人様に迷惑かけんとき」

「あ、はい、それは大丈夫です...」

北「そーか、ならええよ」

？？『信介ーー、ちょっといい？』

俺が北さんと話してる途中で
誰かが北さんの事を呼んだ

しかも下の名前

北「Aか。どないしたん？」

『昨日出された数学の宿題、
ちょっと解けないとこあったんだよねー』

北「なら後でそこ見してみぃ。教えたるよ」

『うん、よろしく。』

その声の主の顔を見て思わず目を見開いた

"A"、と北さんに呼ばれるその人物は
今朝も電車で見かけたその人だった

『じゃ、先、教室戻ってるわ』

そう言ってその人がクルッと背を向ける途中、
一瞬こちらを見た目と目が合った

北「角名も急いで教室行きぃ。予鈴鳴るで」

ハッとして、近くの時計を見たら
予鈴が鳴る2分前

「すみません、ここで失礼します！」

あとで部活でなと言う北さんに軽く会釈し、
2年生の階まで階段をかけのぼった

Aさんて言うのか

思いがけない所であの人の名前を知った

自分のクラスに着きドアを開けて席に着くと、
ちょうど予鈴が鳴った

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