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あの日から、ウォヌと私は屋敷で生活を始めた。
と言うよりも、私が勝手に住み着いていて、ウォヌも身の回りの世話をしてくれるからという理由で追い出さないだけのようだった。
『ウォヌ、そこどいて』
「ん」
『夕飯なにが良い?』
「美味いもの」
『お風呂入れといたから入ってね』
「A先に入って」
こんな具合である。
私も家事は嫌ではないし、前に比べるとここなら安全だと思った。
ウォヌの家に住んでいるときは、あの不思議な事は起こらなかったのだ。
ウォヌに聞いてみたけれど、彼はやっぱりニヤリと笑って適当に返事をするだけだった。
本当に変な人。
そしてウォヌは、予告なく居なくなる事もあった。
お風呂から出てきたら居なかったり、朝になったらいつのまにかベッドにいたり。
傷だらけで帰ってきた事もある。
本当に謎だらけだ。
今日も、彼は朝起きたら居なくて、私は家の中を掃除していた。いつもは入らない部屋だったけれど、入るなとも言われていないし別に良いか。
ほうきを片手に中へ入ると、そこは書斎のようになっていて本がたくさん並べられていた。
小説、ミステリー…、古いものばかりだけどたくさんある。
棚を綺麗に拭いて行くと、一際厳重に保管されている本棚が見えた。
その中には「吸血鬼」の文字が並んでいて
私は嫌な予感がした。
本を開くとそこには、吸血鬼についての事がたくさん書いてあった。
背が高い痩せ形の男
肌は白く、容姿は美しい
人間の肌に噛みつき、血を吸う
『……え…?』
私の頭には、彼のことしか浮かばなくて
そっと、首筋に残る噛み痕に触れてみる。
今までのおかしな出来事や、ウォヌとの出会い
それからウォヌの言動、生活を思い出して
私は全て繋がった気がして恐ろしくなり、慌ただしく彼の屋敷から出て行った。
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月の民(プロフ) - 麻里花さん» そうだったんですね!!初めてのコメントをしていただけるなんて嬉しいです♪ありがとうございます!期待に応えられるよう、頑張りますね!! (2018年4月1日 0時) (レス) id: fdbe7baf4f (このIDを非表示/違反報告)
麻里花 - お返事ありがとうございます!実はあのコメントが初めてでした!こんな暖かいコメントが貰えるなんて、、ずっと応援します!ファイティン!! (2018年3月31日 21時) (レス) id: 50fc3aee32 (このIDを非表示/違反報告)
月の民(プロフ) - 麻里花さん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけてるようで、すごくすごく嬉しいです!こうして応援していただけると励みになります…!これからも頑張りますね!!ありがとうございます♪ (2018年3月31日 14時) (レス) id: fdbe7baf4f (このIDを非表示/違反報告)
麻里花 - いつも更新お疲れ様です!私的にはドギョムのお話が凄く面白かったです!今回のミンハオ君の話も凄く面白そうだなと思いました。私は作者様の世界感が好きなので毎日欠かさず読んでます!これからも生活に支障が出ない程度に頑張ってください!楽しみにしています! (2018年3月31日 12時) (レス) id: 50fc3aee32 (このIDを非表示/違反報告)
月の民(プロフ) - ほーちゃんさん» 読んでくださってありがとうございます!!まだ途中の更新ですが、近いうちに出そうと思うので楽しみにしていてください。アンケートでハオが人気だったのと、ラプンツェルと合わせたら面白そうだなと思ってアンケートでの意見を参考にさせていただきました! (2018年3月30日 14時) (レス) id: fdbe7baf4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月の民 | 作成日時:2018年3月25日 13時