『美女と野獣』×エスクプス ページ1
この一輪のバラが散るまでに「真実の愛」を見つけることができれば
この城は、魔法から解き放たれる。
花びらは、あと3枚。
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お手伝いを済ませ、お父様に「森に出かてくる」と伝え、鞄を肩から下げると馬にまたがる。
お父様は隣町に行って何日か帰らないようで、私がちゃんと帰ってくるか心配みたい。
あまり遅くならないようにと注意されたのを聞きながら、私は森へ向かった。
髪をかき混ぜるように吹く風が気持ちよく、窮屈に感じる村がどんどん小さくなっていくのが気持ちいい。
私は、昔からこの森が大好きだ。
『よし、ここにしよう』
小さな湖に近づき馬を止め休ませると、私は切り株に腰掛けてスケッチをし始める。
ふと、長い間古くからある、あの気味悪がられているお城を見つめて考えた。
あのお城には誰が住んでいるんだろう、どんな庭があるんだろう。
スケッチブックに描いたお城は、私の中ではまだ未完成。
だって何もあのお城について知らないんだもの。
不意に私の中の悪魔がそっと囁く。
「当分お父様は帰ってこない、少し遅くなっても大丈夫」と。
知りたいという気持ちが大きくて、私はスケッチブックを閉じ鞄にしまうと馬を走らせ、初めて城に向かった。
今まで晴れていたのに、途中から雨雲がかかって暗くなる。
まるで「来るな」と言っているみたいだったけど、私は構わずに城に走った。
広い草原を抜けて、城の敷地内へ入ると雨足は強くなって行き、寒さで体が震えるのがわかる。
バラがたくさん咲いている庭を抜け、馬を止めてから大きな扉に向かう。
何度かノックをして待っても誰も来ないから、不思議に思ってそっと中に入ってみた。
その瞬間、中は真っ暗だったのに周りの燭台に火がついて、シャンデリアはしゃらしゃらと鳴る。
思わず目を開いて驚いているとどこからか可愛らしい犬が現れ、私のスカートの裾を引っ張った。
こっちに来いってこと?
首を傾げながら城の中を探索するうちに、色々なことがわかった。
このお城は綺麗だけれど不思議な事がたくさんだ。
ティーカップが話したり、タンスから声が聞こえてくる。
「こんにちはお嬢さん、お名前は?」
『Aって言うの。』
それを受け入れてしまっている私ももうおかしいのかもしれないけれど、ずっと来たかった場所に来られて私は嬉しかったのだ。
そして唐突に、その獣は現れた。
「おい、ここで何してる」
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月の民(プロフ) - 麻里花さん» そうだったんですね!!初めてのコメントをしていただけるなんて嬉しいです♪ありがとうございます!期待に応えられるよう、頑張りますね!! (2018年4月1日 0時) (レス) id: fdbe7baf4f (このIDを非表示/違反報告)
麻里花 - お返事ありがとうございます!実はあのコメントが初めてでした!こんな暖かいコメントが貰えるなんて、、ずっと応援します!ファイティン!! (2018年3月31日 21時) (レス) id: 50fc3aee32 (このIDを非表示/違反報告)
月の民(プロフ) - 麻里花さん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけてるようで、すごくすごく嬉しいです!こうして応援していただけると励みになります…!これからも頑張りますね!!ありがとうございます♪ (2018年3月31日 14時) (レス) id: fdbe7baf4f (このIDを非表示/違反報告)
麻里花 - いつも更新お疲れ様です!私的にはドギョムのお話が凄く面白かったです!今回のミンハオ君の話も凄く面白そうだなと思いました。私は作者様の世界感が好きなので毎日欠かさず読んでます!これからも生活に支障が出ない程度に頑張ってください!楽しみにしています! (2018年3月31日 12時) (レス) id: 50fc3aee32 (このIDを非表示/違反報告)
月の民(プロフ) - ほーちゃんさん» 読んでくださってありがとうございます!!まだ途中の更新ですが、近いうちに出そうと思うので楽しみにしていてください。アンケートでハオが人気だったのと、ラプンツェルと合わせたら面白そうだなと思ってアンケートでの意見を参考にさせていただきました! (2018年3月30日 14時) (レス) id: fdbe7baf4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月の民 | 作成日時:2018年3月25日 13時