Fin. ページ10
光がなくなり、ミンギュが私の目の前に現れる。
今度は黒のスーツじゃなくて、あの夜の舞踏会で王子様が着ていたみたいな、白い服。
本当に王子様みたいだ、と私はまた思った。
彼を初めて見たあの夜も、同じ事を思った事を思い出した。
『…王子様みたい』
何を言ってるんだ私。焦って上手く話せない。
あの時もこんな風に、上手く話せなかった事を思い出して私は耳まで真っ赤になってしまう。
そんな私に、彼は言いにくそうに切り出した。
「俺がAちゃんの王子様になっても良い？」
今はあの夜みたいに綺麗な格好じゃなくて、私はまるで召使いみたいな姿だった。
『…もう、居なくなったりしない？』
あの夜みたいに私を置いて、どこかへ行ったら悲しい。
私たちはお互いに一人ぼっちだから、ずっと寂しくて
やっと惹かれあったのだ。
「ずっと一緒にいる。星に誓うよ。」
その言葉を聞いた私の顔は涙でぐちゃぐちゃで、酷いものだったに違いなかった。
それでも
「ずっと王子様になって、Aちゃんを守ってあげたかったんだ。」
「俺にとって君は、お姫様だから。」
私をお姫様だと言ってくれる。
ミンギュは八重歯を覗かせ、幸せそうに笑って私の手の甲にまたキスをした。
「愛してるよ」
こんな所にいたの。
私の王子様。
Fin.
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シンデレラのお話と、ミンギュでした。
とても難しかったです。分かりにくかったらごめんなさい…。
シンデレラと言っても、犬が入ってきたり、色々と変えてますけれども。
こんな風にファンタジー要素の強いお話なのですが、もし気に入っていただけると嬉しいです。
短編なのに長くなってしまって反省しております。次回はもう少しコンパクトにまとめよう…
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月の民(プロフ) - イチさん» イチさん、読んでくださってありがとうございます！そして温かいお言葉、本当に本当に嬉しいです…！これを励みに、これからも頑張りますね^^ (2018年3月20日 1時) (
レス) id: fdbe7baf4f (このIDを非表示/違反報告)
イチ(プロフ) - どのお話もとても面白かったです………！それぞれの個性と話の内容がマッチしていてどんどん読み進めてしまいました。とても面白かったです、これからも更新頑張ってください。応援しています！ (2018年3月20日 1時) (レス) id: 783077e291 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月の民 | 作成日時：2018年3月18日 11時
