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『だから、私が誤ってキスしてしまった事は申し訳ないって言ってるじゃないですか』
「謝られてもなぁ…。それで済む問題じゃないし」
『もう十分、あなたのために尽くしたと思うんですけど！』
「まだ足りない。」
朝っぱらから、塔の中では言い合いが繰り広げられていた。
数日前なら考えられない光景だ。
私はお姫様だと思っていたこの悪魔のような男
ユン・ジョンハンと
まるで昔からの友達のように喧嘩をしている。
『私も仕事があるの！』
「なんの仕事？」
『治療院のお手伝い。薬を作ったり、怪我を治すの。』
「そんなの俺にもできるけど」
本当にこいつは、腹がたつ事ばかり言う。
顔は可愛い
綺麗だと思う
だけど性格は直した方がいい。
『夜になったらまた来てあげるから』
「……俺が待つの？」
『他に誰がいるの』
「嫌だ」
話にならない…。
呆れて溜め息をつき、私は扉の方へ向かった。
ずっとこんな風に駄々をこねられても困る
そもそも、家族でもなんでもない
ずっと守られてきたことだからやっていただけ。
「…待って、A」
『…っ』
自分にそう言い聞かせて、ドアノブにかけた手に力を入れた瞬間
彼はいつのまにか私の後ろにいて
扉に押しつけるように、背後から私の事を抱き締めていた
薔薇みたいないい匂いがして
ユン・ジョンハンの長い髪が私の首筋をくすぐった。
私の手を取って薬指に、青く光る指輪をそっとはめて
「これ、お守り」
そう言って柔らかく笑った。
名前を呼ぶなんて反則だ。
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月の民(プロフ) - イチさん» イチさん、読んでくださってありがとうございます！そして温かいお言葉、本当に本当に嬉しいです…！これを励みに、これからも頑張りますね^^ (2018年3月20日 1時) (
レス) id: fdbe7baf4f (このIDを非表示/違反報告)
イチ(プロフ) - どのお話もとても面白かったです………！それぞれの個性と話の内容がマッチしていてどんどん読み進めてしまいました。とても面白かったです、これからも更新頑張ってください。応援しています！ (2018年3月20日 1時) (レス) id: 783077e291 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月の民 | 作成日時：2018年3月18日 11時
