『いばら姫』×ジョンハン ページ33
私の家系は先祖代々、魔女の血筋である。
私のお母様も、お祖母様も、ひいお祖母様も…
とは言っても
もう魔女なんて誰も信じていないし、魔女狩りにあうのも嫌だから大人しくしている。
私達ができるのなんて、せいぜい薬を作ったり怪我を治すくらい。
私は「魔女」という肩書きを捨て、町の治療院で働いている。
だけど、私も魔女としての役目を1日1回は果たさなければならない。
これは、私のお母様も、お祖母様も、ひいお祖母様も、みんなしてきたこと。
ずっと受け継がれてきた事なのだ。
『おはよう、今日もいい天気だよ』
『今日も一段と綺麗なのね』
いばらに囲まれた一際美しい塔に
その人は眠っている。
窓際にある大きなベッドの中で
美しく眠る、女の人。
『…というより、お姫様だよね』
ベッドのそばに膝をついて、彼女をまじまじと見つめる。
形のいい眉に、長い睫毛
柔らかそうな唇は血色のいい桃色だ。
大きな瞳は未だ開けられることはなく、ひたりと閉じられている。
『いつか素敵な王子様が迎えにきてくれるのを、待ってるのね、きっと。』
もしかしたら明日来てくれるかもしれないよ。
心の中で彼女にそう話しかけ、今日も私は彼女に魔法をかける。
私のお母様も、お祖母様も、ひいお祖母様も…
こうして毎日魔法をかけ続けて
彼女を宝物のように守って来た。
彼女が目覚めたらどうなるかなんて
考えたこともなかった。
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月の民(プロフ) - イチさん» イチさん、読んでくださってありがとうございます！そして温かいお言葉、本当に本当に嬉しいです…！これを励みに、これからも頑張りますね^^ (2018年3月20日 1時) (
レス) id: fdbe7baf4f (このIDを非表示/違反報告)
イチ(プロフ) - どのお話もとても面白かったです………！それぞれの個性と話の内容がマッチしていてどんどん読み進めてしまいました。とても面白かったです、これからも更新頑張ってください。応援しています！ (2018年3月20日 1時) (レス) id: 783077e291 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月の民 | 作成日時：2018年3月18日 11時
