『かぐや姫』×ウォヌ 番外編 ページ26
『あの日ね、ウォヌが裸足で飛び出して来たから私、びっくりしちゃって！』
「……それ昨日も聞いたって」
『それで…愛してるなんて言うから私、もう恥ずかしくて恥ずかしくて』
「違う違う、月が綺麗だなって言ったんだよ」
『意味は同じでしょ？』
「……」
ウォヌの記憶が戻ってからというもの、私達は今も一緒に過ごしていた。
私は、ウォヌがまだ私のことを思い出してくれていないから、記憶のないふりをしていたけど
本当はもっともっとウォヌのために何かしてあげたくて
本当に大好きで
愛の言葉をもらった後も、ずっと嬉しくてウォヌにひっついていた。
「もう寝る」
『あぁぁああ……ウォヌや…、待って……』
「ほら寒いから早く来い」
『ふふ』
冷たく私をあしらうけれど、やっぱり一緒に寝てくれるから優しい。
嬉しくて思わず笑ってしまった。
そして調子に乗って、彼に身を寄せながら尋ねてみた。
『子守唄歌ってあげようか』
「いや、いい」
『……』
あんなに私の歌声が好きだと持ち上げたのに、一刀両断である。
いや今日は疲れているのかもしれない。
無理矢理、町へ買い物に連れ出したりしたから機嫌も悪かったし。
今日は放っておこう、なんて思っていると。
私の頭を優しく撫で、自分の方へ抱き寄せてくるウォヌ。
どうした？寝惚けているのだろうか。
「…今日は俺が歌ってやるから」
『……えっ』
「月じゃなくて、こっちの歌な」
『疲れてるんじゃないの…？無理しなくても』
急展開に驚いて私が気を遣っても、彼はもう歌い始めていた。
おっと、これは。
ウォヌくん、よく分からないけど、サービス精神旺盛。
戸惑いながらも、私にとってはまだ住み始めて間もない異国の歌を
彼が低く優しい声で囁くように歌う。
彼なりに安心させようとしてくれてるのかな。
彼の歌を聴きながら、そんな風に思った。
これからはこの場所でずっと一緒にいよう
そんな風に言ってくれてるみたい。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
(※後日、確認したところ、ウォヌはただ単に歌いたい気分だっただけとの事でした)
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 140人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月の民(プロフ) - イチさん» イチさん、読んでくださってありがとうございます！そして温かいお言葉、本当に本当に嬉しいです…！これを励みに、これからも頑張りますね^^ (2018年3月20日 1時) (
レス) id: fdbe7baf4f (このIDを非表示/違反報告)
イチ(プロフ) - どのお話もとても面白かったです………！それぞれの個性と話の内容がマッチしていてどんどん読み進めてしまいました。とても面白かったです、これからも更新頑張ってください。応援しています！ (2018年3月20日 1時) (レス) id: 783077e291 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月の民 | 作成日時：2018年3月18日 11時
