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私が彼の登場についていけず、唖然として見上げていると
彼は元々つりがちなつり目をもっと急斜面にさせながらプンプン怒り始めた。
「ちょっと！聞こえてるか？今何時ー？」
腕を組みながら、こちらに一歩近づいてくる彼は、そのどうでもいい質問をしつこく投げてくる。
面倒くさいのでそれだけ答えて家の中に入ろう。
『ええっと…、10時10分』
「ハイ正解〜！10時10分！に、現れる天才魔法使い、ホシで〜す」
『……おやすみなさい』
「え…、ちょ、ちょちょちょっと待って！」
濡れたドレスを手に立ち去ろうとした所で、自分の目の下で人差し指を傾け自己紹介をし「ホシ」と名乗る不審人物は、私を引き止めた。
怪訝そうに振り向いてまた見てみるが、彼は夜なのになんだか光っていて、こんなに寒いのに薄いローブ一枚で。
やっぱり怪しい…
私の隣で彼を見上げているブラウンも、やっぱり怪しいと警戒しているのか、唸っている。
今にも噛みつきそうだ。
彼もそれを見て少し怯んだ様子だったが、ふと犬をまじまじと見つめてはニマニマと変な笑みを浮かべる。
犬が好きなのだろうか。
『ところで一体、何の用でしょう』
このままでは拉致があかないので、一つため息をこぼしてから彼に問いかけた。なんだか今日は散々な日だ。
「あ！そうそう。Aちゃん、明日何があるか知ってる？」
『…知らない』
私が質問したはずなのに、質問で返された。
………待って。……ていうか、今。
『…どうして私の名前、知ってるの？』
信じられない、と目を丸くして、ドキドキと速くなる鼓動を感じながら、震える声で尋ねると彼は
「だって魔法使いだもん」
にこっと笑い、自慢げにそう言った。
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月の民(プロフ) - イチさん» イチさん、読んでくださってありがとうございます！そして温かいお言葉、本当に本当に嬉しいです…！これを励みに、これからも頑張りますね^^ (2018年3月20日 1時) (
レス) id: fdbe7baf4f (このIDを非表示/違反報告)
イチ(プロフ) - どのお話もとても面白かったです………！それぞれの個性と話の内容がマッチしていてどんどん読み進めてしまいました。とても面白かったです、これからも更新頑張ってください。応援しています！ (2018年3月20日 1時) (レス) id: 783077e291 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月の民 | 作成日時：2018年3月18日 11時
