『かえるの王子様』×ミンハオ 番外編 ページ19
「ハオやー、かっこよくなったね。」
『ううん、お兄様の方が100倍かっこいいよ』
「やっぱり？」
「お前らマジどういう兄妹なの」
お城に戻ってから、人間に戻ったミンハオと私はすぐに結婚式を挙げることになった。
今日がその結婚式の日なのだが、お兄様と私はいつものペースで、ミンハオは呆れまくっていた。
よくやるよ、という表情で私たちを見つめる。
そんなミンハオを、私は正直あまりきちんと見る事ができない。
昔の記憶しかないし、それにかえるの時の姿が印象的で。
声や態度はそのままなんだけど、なんていうか
…かっこよくて。
本当に王子様みたいだったから
あの日、湖からお城まで、手を繋いで帰るだけでも私はすごく緊張した。
「Aは緊張すると下ばかり見るからすぐ分かる。」
私の考えてることなんてお見通しだよ、なんて笑顔を見せるから。
もうすぐ、結婚式が始まるのに。
ミンハオのことをちゃんと見る事ができないの。
だってあの日、キスしたし。
月に照らされて私を見つめるミンハオはすごく綺麗だった。
耐えられなくなって来て、私は庭へと足を向けた。
ミンハオがかっこよくて恥ずかしくて顔を見られないなんて
それ自体が既にもう恥ずかしい。
「A」
『！』
「どうしたの、もう始まるよ。」
『…ん』
「緊張してるのか。大丈夫だよ、ジッとしてればすぐ終わるから」
ミンハオは心配して探しに来てくれたらしい。
私は結婚式に緊張しているわけではなくて、ミンハオに緊張しているのだ。
私の方へ近づいたミンハオは、私の手を掴んで優しく握り、顔を近づけて言い聞かせるように囁いた。
「A、こっち見て」
『…無理』
「なんで」
『……なんでも』
「俺のこと嫌い？」
『…す、好き』
「ふ、…ありがとう」
『！？』
嬉しそうに笑って口元を抑えるミンハオに、私はまんまと引っかかって言わされたのだと気づく。
あまりの悔しさと恥ずかしさに、真っ赤になって彼の方を向くと、もう逃がさないと言うように私の頬を両手で包み込んだ。
「俺も好き。A。迎えに来たよ。」
『…はい。』
「素直な所、可愛くて好きだよ。」
『…う、ありがと…』
「まだ泣くな。ブスになっちゃうから」
『…』
ムッとした私と、悪戯っぽく笑う彼。
私のご機嫌をとるように彼から近づいて、影がそっと重なって。
また手を繋いで歩き出した。
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月の民(プロフ) - イチさん» イチさん、読んでくださってありがとうございます！そして温かいお言葉、本当に本当に嬉しいです…！これを励みに、これからも頑張りますね^^ (2018年3月20日 1時) (
レス) id: fdbe7baf4f (このIDを非表示/違反報告)
イチ(プロフ) - どのお話もとても面白かったです………！それぞれの個性と話の内容がマッチしていてどんどん読み進めてしまいました。とても面白かったです、これからも更新頑張ってください。応援しています！ (2018年3月20日 1時) (レス) id: 783077e291 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月の民 | 作成日時：2018年3月18日 11時
