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「A、今日も湖に行ったの？」
食事の席でジュン兄様が私に問いかけた。
私は食べていた魚が思わず喉に詰まってしまいそうになったが、必死に堪えて答えた。
『うん、行ってきたよ。』
「そう。楽しかった？危ない事はなかった？」
…変なかえるに付きまとわれてます。
とは言えず。
『大丈夫、大丈夫。あ…、実はヌンチャクを湖に落としちゃったんだけど…』
「えっっ！！！？」
『で、でもちゃんと拾ってきたし、平気だったよ』
過保護な方とはいえ思ったよりも大げさな反応に肩を震わせつつ、お兄様や父上を見つめながら宥める。
2人ともなんだか難しい表情をしていて、せっかく楽しい食事の席なのに私のせいで変な空気になってしまった。
「A…、しばらく湖に行くのはやめよう」
お兄様に諭されるようにそう言われて、不思議に思いながらも頷いた。
バレないよう食事の余りを適当に部屋に持ち帰り、すっかり元気になって皿の上でスイスイ泳ぐかえるに夕飯を差し出す。
「遅い」
と文句を言われたが、私は不機嫌だったので何も言わなかった。
かえるもさすがに察したのかそれ以上は何も言って来ず、部屋にはしばらく沈黙が流れた。
床に座ってぼんやり天井を見上げていると、今更気付くことがあった。
そういえばかえるの名前を聞いていない。
『ねぇ、そういえば……』
私がそう言って皿の上のかえるを見つめた時。
「A、明日どこに行く？今から決めよー！」
年頃の女の子の部屋をノックもせずにいきなり入ってくるという奇行をしでかすお兄様がやってきた。
私は自分の心臓が凍りついていくのがわかり
かえるは野菜を頬張ったまま固まっていた。
目を丸くして私と皿の上のかえるを見たお兄様は、少し慌てたように私の部屋の中に入ってきて
「わぁ！かえるだ。可愛い」
と、かえるを愛で始めた。
どうやら私がかえるに話しかけていた事は知らなかったらしい。
良かった。と、思っていたものの。
「おい、ちょっとジュニ、あんま触んなよ。」
かえるが口を開いたではないか。
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月の民(プロフ) - イチさん» イチさん、読んでくださってありがとうございます！そして温かいお言葉、本当に本当に嬉しいです…！これを励みに、これからも頑張りますね^^ (2018年3月20日 1時) (
レス) id: fdbe7baf4f (このIDを非表示/違反報告)
イチ(プロフ) - どのお話もとても面白かったです………！それぞれの個性と話の内容がマッチしていてどんどん読み進めてしまいました。とても面白かったです、これからも更新頑張ってください。応援しています！ (2018年3月20日 1時) (レス) id: 783077e291 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月の民 | 作成日時：2018年3月18日 11時
