毎日甘やかしてくる彼【石上優】【かぐや様は告らせたい】 (ページ8)

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私の誕生日プレゼントは今年もかぐや様に消えていくのでした…… ページ8

『何、まさか記憶喪失になったと思われてる……？俺の名前は石上優、三月三日生まれの高校一年生。Aさんの彼氏だって事も……ちゃんと覚えてるよ』

たった数時間程度眠った位で記憶喪失を疑われるなんて心外だな。

｢とにかく今は何月何日か答えろ｣

『一月二十八日だろ。バカにするなよ』

｢……三月一日だよバカ。明後日はお前の誕生日だ｣

『…………は？』

じゃあ、じゃあ……僕は一ヶ月も眠ってたって事になるじゃないか。

『悪い冗談、辞めろよ。体感数時間なんだぞ？眠ってたとしても二日とかそこらで』

｢だとしたらAがあんなに喜ぶと思うか？あいつ一ヶ月の間毎日三時間も寝ずにお前の事看病してたんだぞ。あいつのかかりつけの医者……まあ今はお前の担当医なんだけどな。その人にも呆れられる位に｣

『が、学校はどうして』

｢俺たち三人全員休学中だよバーカ。明後日から復帰出来るけどな。ただリハビリとか必要か？身体、動かせる？｣

身体はまあ動く。歩けも走れもするだろうし、日常生活に支障は来さないだろう。

『リハビリは要らないと思うけど……』

｢お前マジか驚異的な身体能力だな｣

お前、中学の時は同じ部活だっただろ……

｢や……でも、俺たちの口から聞くより……生徒会の皆さんに聞いた方が良いかもな。居るんでしょ？｣

｢……バレてたか｣

『会長……！』

思わず背筋が伸びる。

『ご心配おかけして……』

｢いや、石上が無事で本当に良かった。一ヶ月の間で、会計の仕事が山のように溜まっててな。情けない事に俺たちだけではどうにも出来んのだ。そういう意味でも、石上が目覚ましてくれて良かったよ｣

『なら僕のPC、病室に持ってきてくれたら今日と明日でやっておきますよ。時間はたっぷりあるようなので、暇潰し程度に』

AP○Xのランク落ちてるかもしれないな、今期はマスター目指したかったのに……

｢すまんな、何にも力になれず｣

『いえ……親より先に来てくれて嬉しいですよ、はは』

｢小野寺さんとか大仏さんもちょくちょく見に来てたので、良かったらLINEとかしてあげてくださいね｣

｢あと、もうすぐ学年末テストあるから。病み上がりで悪いけど、ちゃんと勉強しときなさいよ｣

『マジか……』

｢言ってくれたらいつでも私と伊井野さんが勉強見ますので｣

先輩たちが行ったあと、藤原先輩に言われた通りにする為、僕は自分のスマホを持ってきてもらった。