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「優、起きなさい。もう七時よ」



『んー……』

眠い目をこすりながら起き上がると、やけに視界が綺麗だ。


そうか、前髪が無いからだ。


それにしてもなんで前髪が……寝癖かな。


低くなったように感じる目線を鏡へやると。




『……ええええ!?』

僕、子供に戻ってる!!!


道理で髪も短くて目線が低いのか。困ったな、どういう状況だこれは。





「優ー、いい加減にしないと遅刻するわよー?」

下から母親の声が聞こえてくる。適当に返事をして準備を済まし、僕は家を出た。


母親が何も違和感を感じていないという事は、戻ったのは僕だけじゃない。


この世界自体が巻き戻っている、という事だろう。


どうする?高等部に行く訳にもいかないし……


とりあえず、今日のうちは様子を見て初等部へ行こう。


初等部ってこんなに小さかったっけ……慣れるのに時間がかかりそうだ。


……待てよ?今僕は小学生。という事は、あの事件が起きる前だ。となると……





『おはよう』

傍に居た生徒に適当に声をかける。




「うん、おはよう石上くん!」

あ、挨拶を返してくれた……!!


そうか、人は挨拶をすれば返してくれる生き物だった……!





「石上くん……?様子がおかしいよ……?」



『ううん、大丈夫……』

ふわっと嗅いだ事のある甘い香りが鼻を掠める。忘れる訳が無い、この香りは……!




『Aさん!』

ガッと腕を掴む。




『良かった、こっちにも居たんだ……!そりゃそうだよな、僕と違ってAさんは幼稚園から居るし……何より無事で良かった』

僕が安心して手を離そうとしたその時。




「……誰?こっちにも居たって……何それ、厨二病?……そっか、君……隣のA組の石上ナントカ君か。よくクラスの女子がスポーツが出来るだの顔が良いだの、阿呆みたいに騒いでるから知ってるよ。こんな不躾な人だとは思わなかったけれどね」




『……ごめん……』

そうか、そうだよな。僕がAさんと出逢ったのは中等部に上がってからだ。今のAさんが知ってる筈が無い。


しまったなぁ、僕……やらかしてしまった。





「私一限移動教室だから、じゃあね」

僕は中学に上がるまで、どちらかと言えばクラスの中心の方だった。所謂陽キャと呼ばれる部類だ。


まぁ根がこんなだし、あんまり仲の良い友達はいなかったけど……

精神が奇跡の復活を遂げたので、アニメの三期放映に併せ更新再開しようと思います→



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設定タグ:かぐや様は告らせたい , 石上優   
作品ジャンル:ラブコメ
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作者名:白米 | 作者ホームページ:http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/  
作成日時:2022年1月21日 20時

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