絵描く時練り消しめっちゃ便利 ページ5
────────三学期学年末試験。
今年も例に漏れずその季節がやって来た。
正直言うと私は試験にそこまで焦点を当てていない。
日頃から程々に勉強しておけば、それなりの順位とれるからだ。
｢いつも勉強してる素振りなんて全く見せないのにどうして順位を大きく落とさずいられるの？｣
ある日、伊井野さんにそう訊かれた。
『んー、あんまり特別な事とかしてないよ。一日一時間勉強してればあれ位普通にとれるし。
好きな音楽とか聴きながらやったりすると効率上がるかも。
切り詰めすぎるのもダメだと思うし……』
｢じ、じゃあ勉強する時のコツとかある？｣
なんで私より順位上なのにそんな事訊くんだろ…
『正直普通に勉強してるだけだよ。私教科書とか一回読んだら覚えられるし。
授業も丁寧にノート取ってれば後で見返すだけで済むからラクだよ。
ほら、私の現代文と数学のノート見る？』
｢ほんとだ、字凄く綺麗……色ペンも使ってすっきりまとめてある。｣
『あんまり線は引き過ぎない方が、重要なポイントが判りやすいよ。
手間は惜しまずにきっちり書くの。』
｢でもそんな丁寧にノート取ってたら、先生の話聞き逃さないですか？｣
『別のノート買ってそこに大まかに先生の言ってた事書いとけば黒板と併せて見やすいですよ。』
｢今度やってみるね！｣
『うん、是非。』
｢どうせなら、今回鳴神も本気出してみたらいいんじゃないか？
自分の実力を正しく評価できるいい機会だろ。｣
『……そう、ですね……やってみま…しょうか。
じゃあ先に宣戦布告しときますね。
伊井野さん、私が“首席”とってみせますので首洗って待っといてくださいね♡』
｢……やれるものなら。｣
『それはそうと石上さんは？』
｢さぁ。家で勉強でもしてるんじゃないですか？｣
｢まっさか〜｣
｢どうせゲームでもしてるんですよ。｣
私も今日は帰ろうかな。
颯馬に勉強教えてあげなきゃだし。
『お先に失礼します。』
｢お疲れ。｣
｢お疲れ様でした。｣
｢また明日〜！｣
｢また明日。｣
校門を出たらスマホを取り出して、一つの番号に電話をかける。
《おかけになった電話番号はおでになりません。ピーっという発信音の後に……》
『……なにやってんのさ、彼女の私差し置いて。
石上さんのバカ。』
練り消しって描いた線ちょっと残るんで下描き消す時便利なんですわ→←バナナって美味しいですよね(唐突)
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作者名：白米 | 作者ホームページ：http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/
作成日時：2021年4月5日 9時
