毎日キュンキュンさせてくる彼【かぐや様は告らせたい】【石上優】 (ページ15)

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二十二巻OVAつきのやつ予約した人います？作者は誕プレを犠牲にして予約しましたページ15

｢あの……｣

『はい。』

ある秋の肌寒い日、おどおどとした声をかけられ振り向いた。

そこには、こばちゃんみたいな丸眼鏡をかけたショートカットの女の子が立っていた。

確か──────鳴神Aさん。

同じ風紀委員の女子生徒だ。

でも、私は彼女が腕章をつけて校則違反者を取り締まっている所など見た事がない。

そんな彼女が、なぜ私に話しかけてきたのか。

先の選挙に向けて、何か私に言う事があるのか。

そんな事を考えながら、私は鳴神さんの発言を待った。

『……あの。何か？』

｢あっ、えとっ、あの…！その、私……選挙戦っ、去年、伊井野さんに票入れて……
あの、丸刈りはアレだけど…中々、いい公約だと思います！
限られた髪型の中でどんなアレンジをするかっていう思想訓練にもなるし……
三つ編みをする子は手先の器用さも発達しますから、とてもいいと思います！
私はあの公約、割と好きです……強制丸刈りは要審議かと思いますが……
今年も、頑張ってください！｣

正直、驚いた。

私の公約に賛成してくれる人なんて、こばちゃん以外に見た事なかったから。

何も言えずただ立っていると、鳴神さんはあわあわとし始めた。

｢ごごっ、ごめんなさい！
こんな、急に話しかけられて判りきってるメリットつらつらと並べられても気味悪いだけですよね……
私っ、これから校舎裏行かなくちゃなので……
あの、とにかく応援してます！生徒会長になれるよう頑張ってください！｣

『あ、はい、あの…ありがとう……』

その時、私は私が生徒会長になったら彼女を会計か副会長にしようと決めた。

勿論藤原先輩にも副会長にはなって欲しかったけど、副会長が二人いてもいいかな…なんて。

選挙では負けちゃったけど…

またこうして生徒会で会えたのなら、別にいいかな。

きっと鳴神さんからしたら、私はなんでもない知り合いなんだろうな。

鳴神さんは知らないうちに沢山の人を救って、たくさんの人を魅了する。

そんな所に石上も惚れたんだろうな。

おどおどした自信なさげな態度も、やる時は文句も言わずきちんとやる誠実さも。

全部全部、私は鳴神さんの事が友人として凄く好きだ。

だから、そんな鳴神さんを泣かせたりする輩がいたら────────

正義の裁きが下るだろう。