早坂とつばめ先輩お誕生日おめでとう(遅刻) ページ1
｢あれ、今日鳴神風紀どこ行ったんだ？｣
『休みみたいですね……心配です。』
｢石上は過保護すぎるのよ。鳴神さんなら大丈夫よ。｣
｢本人から連絡来るかもしれませんし、待ってみた方が……｣
そこまで四宮先輩が言った時、生徒会室の扉が叩かれた。
｢はーい、今出ます！｣
藤原先輩が扉を開けると、そこには鳴神さんの弟、鳴神颯馬が立っていた。
『鳴神っ！？なんで生徒会室に……』
｢おーやっぱり生徒会室に居た。
俺今日友達の家泊まるからさ、Aにプリント持って行ってくんない？｣
『なんで。弟のお前が届ければいいじゃん。』
｢理由は一つ、風邪ひいてる時のあいつめんどくさいんだよ。｣
『めんどくさい？』
｢“付き合い短い”お前は判んないかもしれないけどさ、あいつマジ風邪ひいたらやべぇの。｣
『は？僕は二年間毎日告ってますけど？730日を短いで済ませるのはどうなの？』
｢土日祝日抜けよ。しかもお前ちょっと登校してない期間あっただろ。
俺なんか産まれた時から一緒だからな？｣
ドヤ顔でマウントをとる鳴神にイラッときて反論しようとした僕の言葉は、藤原先輩に遮られた。
｢はいはいストーップ。どっちが仲良いとかで喧嘩していいのは小学生までですよー。｣
『｢だってこいつが……｣』
｢二人が鳴神さんの事大好きなのは十分判ったから、ちょっと冷静になりなさいよ。｣
｢ばっ、俺はあんな奴大好きなんかじゃ……まぁ、嫌いではないけど！｣
ツンデレかよ。一瞬四条先輩かと疑ったぞ。
｢とにかく、これ持ってけよな！｣
クリアファイルを僕に押し付けて、鳴神は生徒会室を出ていった。
｢ちょっと、廊下は走らない！｣
｢プリント届けるなら石上はもう帰るか？｣
『はい、そうします。』
｢お大事にと伝えてください。｣
｢案外Aちゃんならすっきり治ってお菓子作ってたりしそうですけどね〜｣
『ははは、そんな事してたら無理矢理鳴神さんのベッドで寝かせますよ。病人は安静が一番ですから。』
｢ははは、それはそうだな。｣
｢｢ふふふ/えへへへ……｣｣
｢待ってください。
皆さん軽く聞き流してますけどなんで石上は鳴神さんの寝具がベッドだって知ってるの？｣
それもそうだ、と皆がこっちを見る。
『…じゃ、帰りますね。また明日。』
｢｢｢｢！？｣｣｣｣
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作者名：白米 | 作者ホームページ：http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/
作成日時：2021年4月5日 9時
