・※表現上(笑)という記号が出てきます。ご容赦ください ページ46
｢あの、小野寺さん……なんか勘違いしてるのかも……しれない｣
｢……マジで、近づくなよ。あと、Aにも。あいつピュアだからよく思わせぶりな行動するけど、全然お前の事なんか好きじゃねーから。隣の席だからってイキんなよ｣
……分かってるよ、そんな事。僕だってそう思いたいさ。
｢本当は、私がAの隣になる筈だったのに！お前の所為でAがお前に気を取られるだろうが！私がAの一番なのに！本当に、近づくんじゃねぇぞ！｣
あ、意外と可愛いなこいつ。
そうか、そうか、お前、そんなに甲斐が可愛いか……と、思わず微笑んでしまいそうだけど、そんな事したら絶対キモイとか言われるから心の中だけに留めておく。
｢分かったらさっさと戻るぞ、会議室｣
当然会話なんて無く、そういえば四ヶ月も前は甲斐ともこんな感じだったな、と少し懐かしい。
それが今はキスまでする関係なんだもんなあ、これが事実は小説よりも奇なりって事か。
まあ小野寺には本当に殺意向けられるレベルで嫌われてるし、仲良くなれそうは無いけど。
｢じゃあ応援服は男子は女子の制服、女子は男子の学ランって事で！｣
……はい？
小野寺と話してるうちに凄い大切な事が決まっていた。
あ、まずいこれは僕だけ制服借りれないやつだ。
帰り道をとぼとぼと猫背で歩く。
お前らは気軽に制服貸し借り出来る仲の女子が居るんだろうけどさー、俺なんかクラスメイトに言ったって物凄い勢いで拒否されるのに決まってる。
まあワンチャンあるのは生徒会の女子陣だけど……
伊井野は……
｢嫌よ、二度と着れなくなるじゃない｣
まあ当然か。
藤原先輩が一番希望あるけど……
｢絶対変な事に使う気でしょ(笑)｣
きっつ……あの人僕を変態と思ってる節あるからな……
んで四宮先輩は怖いし……
｢甲斐は……借りれそうな気がするけど、良からぬ事に使う自信しかないからなー……｣
やっぱり辞退するしか……
｢私がどうかしたかしら｣
｢うわ出たぁ！！！｣
｢人をお化けみたいに言うのはやめてよ。どうしたの？偉く思い詰めた
｢や……実はその、俺さ、応援団入ったじゃん？｣
｢ええそうね｣
｢で、応援合戦の時の服がさ、その……異性の服を借りるって事になってて｣
｢うん｣
｢で、借りる人が居なくって……やっぱ向いてないから、辞退しようかと｣
｢あら、私ので良いなら貸すけど｣
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作者名：白米 | 作者ホームページ：http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/
作成日時：2022年6月27日 0時
