☆応援団な僕 ページ45
応援団。
イキイキしていて楽しそうな様がとても腹立たしく、滅びてしまえといつも思っていた。
それは僕が今まで人間関係に楽しみを感じる事が出来ず、ひたすらゲームやサッカーに闇雲に打ち込んでいた所為でもあったりするのだろうし、陽キャだからとあいつらを一方的に嫌っていたのもその所以であったのだろう。
けれど、安全圏から愚痴愚痴と呪詛や恨み言を吐き連ねる僕が一番ダサいのを僕は知っている。
だから、応援団にリア充しか居ないのなら、僕が応援団に入ってしまえば良い。そしたら、僕もリア充に────────
｢赤団アゲていくよーーーー！！！｣
｢ウェーーイ!!!!｣
論理展開が間違っていた。
応援団に入ればリア充になれるのではなく、リア充しか応援団に入らないのだ。
どうしたもんか、同級生の小野寺が正気かよという目で僕を見ている。
｢じゃあ俺が団長、子安が副団長って事で！｣
なんか知らんうちに団長が決まった。
この陽キャ特有のノリとウェーイで全てを決めるシステムが僕は大嫌いだ。民主主義を超えた政治がここにはある。
その流れで｢風林火山 最the高 マジ卍〜インスタ映え〜｣というクソオブザクソのようなスローガンが決まった所で、僕は肩を叩かれた。
｢わっ｣
｢あ、副団長……｣
｢うん、副団長の子安つばめだよ〜！もしかしてLINEやってない人？｣
｢あ、いや、やってはいるのですが｣
重くなるからあんまり人と連絡繋ぎたくないし、通知が来たと思ってワクワクしたらバナーに甲斐以外の名前が表示されててヘコむっていう一連の流れをなるべく減らしたいんだよな。
かといって通知をoffにでもすると連絡事項が上手く伝わらなくて後々困る事になる。
｢じゃあ応援団のグルチャ招待しとくね！どうせ無駄なスタンプの打ち合いになるだけだし、嫌だったら通知offにしといて構わないよ！ホームルーム終わったら練習日時の確認にチラッと見とく感じで｣
あ、この人神だ。
｢つばめ先輩、ちょっと石上借りていっすか｣
｢あ、麗ちゃん！良いよ良いよー｣
小野寺に強く腕を引かれ、会議室の外へ。
｢あの、小野寺さん？｣
｢アンタさ、何のつもり？つばめ先輩相手に変な事企んでたらマジで許さねぇから｣
つばめ？って誰だ……うーん……あ、副団長か。あの人そういえば下の名前つばめってんだっけ。
変な勘違いされてるな、これは……
・※表現上(笑)という記号が出てきます。ご容赦ください→←・
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作者名：白米 | 作者ホームページ：http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/
作成日時：2022年6月27日 0時
