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「本当はそんなに重くないんです……言葉の綾なんです……甲斐の事……は、それ位好きだけど……」
「はははっ、言っちゃってるじゃん答え。君、面白いなぁほんとに。久しぶりにこんなに笑ったよ。名前呼び、戻しとかないとAに怒られるよ?」
「二人で何笑ってるんです?何の話してたんですか?」
「んー、秘密」
「本当に何それっ、まさか私の悪口ですか!?」
「いや、そうじゃない。けど……ごめん、言えねー」
甲斐の将来について語ってた……なんて、まさか言える筈もなく。
「もう、なんなのよー。
……ま、いっか。余程知られたくないなら私は知らない方が良いに決まってる。
石上、私の部屋に行きましょうか。寝るには少し早いけど」
「ああ、うん」
自然に腕を組まれる。うわ色気ヤバっ、ズルいなこれ……
「うちのルールで寝る前は必ずおやすみっていうルールがあるから、後でお兄さんにおやすみを言いに行きましょうか」
「うん、分かった……やっぱり育ちが良いんだな」
「そんな事無いわ、無駄に礼儀や作法に厳しいだけよ。ね、おやすみを言いに行く前に……ちょっとお話しましょ」
上目遣いで言われる。これ、多分自分の可愛さ利用してるな……可愛いからどうでも良いや。僕は思考放棄を選んだ。
「石上……石上は、私の髪とか肌……どうだと思う?石上、髪も肌も凄く綺麗だから、私がどう映ってるのか心配になって」
なんてどうでもいい事を心配してるんだ、甲斐は。
甲斐Aという存在である時点で君の髪は誰より綺麗で、肌はマシュマロのようにもちもちだと決まっているんだ。
「いつも、凄く綺麗だけど……今はなんか、いつもより綺麗……風呂入って、色気やばい……正直えろい、抱きしめてい?」
あ、しまった本音が。引かれたかな、どうしよう。
もういっそ開き直るか?溺愛するか?
でもウザがられたら……
「あの……えと、お願いします……」
おねがいします……?
あ、お願いします、か。つまり、甲斐は僕のハグを承認……え?え?マジで良いの?え?抱きしめても?え?良いの?
うわっ柔らかっ!!なんだこの宇宙規模に可愛い生物は!!!
えー、一生こうしてたい……真っ赤な顔して裾を握って……えっ可愛い……
もう良いだろ告って……最早同級生の距離感無視してるだろ……付き合ってるというかもう結婚してるだろ……
可愛い……柔らかい……最高……
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作者名:白米 | 作者ホームページ:http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/
作成日時:2022年6月27日 0時