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｢ご馳走様、美味しかったよ｣
｢お粗末様でした。お風呂沸かしてあるから入れば？湯船浸かって良いし、ある物は全部使って良いわよ｣
｢じゃあ、風呂お先失礼します｣
｢ごゆっくりー｣
ひらひらと手を振る甲斐に可愛さ半面、呆れ半面。
男と同じ風呂に入る抵抗感というのを感じないのか、この女は。
……あ、洗顔僕と同じの使ってる。偶然だな。
あんまり使いすぎるのも常識として無いし、早めに出よう。
……でも湯加減めっちゃ調度良い……
もうちょっと浸かってようかな、気持ちいし。
心地良い風呂に入ると蕩けきった顔になるのは、全人類共通なのではないだろうか。
適度に身体が温まった所で風呂を出て、適当に髪を乾かす。
ちょっと濡れてるけど今日位は良いや。
甲斐の前に出ると、甲斐は一瞬ぼうっとしてるようだったけど、僕の事を質問攻めにし始めた。
｢ねぇっ、洗顔何使ってるの？リンスは？いつも石上からしてくる香りはボディソープ？それとも香水かボディミストなの？私あの香りとっても好き、教えて！化粧水はどこの使ってる？あ、リップも教えて！日焼け止めは何使ってる？｣
キラキラと一点の曇りなき眼で問うてくる甲斐。
｢お、落ち着けA……さん！洗顔と化粧水は同じの使ってる、香り？はよく分かんない……リップはニベアのやつ、リンスは……分からん、日焼け止めはアネッスの金のやつ｣
｢凄いな優君、Aの早口質問を全部答えるとは。
Aも気済んだだろ、今度同じの買ってやるからあんまり優君困らせるなよ｣
｢はぁい。じゃあ私は次入っちゃうわね｣
甲斐が洗面所に入るのを確認し、颯斗さんは僕の肩を無理矢理組んで囁いた。
｢ね、Aにさ。いつ告んの｣
｢こ、告っ……！？え、そ、そんな……なんでいきなり、え、なんでバレッ｣
｢当たり前だろ、見てたら分かるって。いつ？どうすんの、体育祭そろそろだろ？足速い男子はモテるぞー、Aも例外じゃない｣
｢小学生の話でしょうそれ！まだ僕は告白なんてっ｣
｢早くしないと、盗られるよ？他の奴に。麗ちゃんに訊くと、A、男子にも女子にもモテるらしいから｣
レイちゃん……て誰だ。あいつ友達多すぎんだよなぁー。
｢ほら、早く告りなよ。なんなら今からでも良いよ？僕席外すし｣
｢今からって……んな、心の準備とかが｣
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作者名：白米 | 作者ホームページ：http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/
作成日時：2022年6月27日 0時
