twentyfour ページ25
「じゃあここを……石上!」
「……」
「石上?大問二、解けるか?」
「えっ、あっ、はい!……えと」
しまった、全然聞いてなかった……どのページだっけ。
黒板に書いてある問題文を読んで、脳をフル回転で考える。
証明問題……
震える手でチョークを手に取り、証明文を黒板に書く。
「え……と、α、bが5の倍数なので整数k、lを用いて
α=5k、b=5lと表す事が出来る……よって、2α-3b=2•5k-3•5l=10k-15l=5(2k-3l)
2k-3lは整数なので、2α-3bは5の倍数である……」
合ってたかな……
あっ、Aが手で小さく丸を作ってる。
合ってたみたいだ、良かった……
「うむ、ほとんど模範解答だ、流石生徒会会計だな。座って良し」
教師の話も耳をすり抜けていく。
Aの事で、僕は頭がいっぱいだった。
僕がAと一緒に居たいだけじゃない。
会長も、Aの仕事ぶりを評価してAを欲しがってる。
「石上くん、貴方最近ちょっと変よ」
「グラーニャの事が気になるのは分かるが、お前がダウンすると引き入れる以前の問題になる。あまり無理はするなよ」
「はい……」
Aはつらそうな顔をしてた。
それがどういう意味かは分からないけど、Aにもう二度とあんな顔はさせる訳にはいかない。
考えろ、脳を限界まで回せ。
原因は?どうやったらその原因を潰せる?
Aが納得してくれる方法は?
もっと、もっと考えろ。
絶対ある筈だ、どっちも満足出来る和解案が。
「…………っ、あー、わかんね……」
「勿論Aちゃんには生徒会入って欲しいですけど、石上くんもどうしてそこまで?」
「決まってるでしょ、僕はAが……A、が……あれ?そういえば、なんで僕はこんなに必死こいてるんだろ」
僕にとってAはそんなに大切な物だったか?
思えば、転校初日にあいつが話しかけてきたからその流れで今まで接してきただけで……
Aは、僕にとってそんなに惜しむ程の友人?
あぁ、分からなくなってきた。
「あ、もしかして石上くん!Aちゃんの事す……」
ぐらり、と視界が歪み、ガンっと頭が打ち付けられる。
いたい、すごくいたい。ちは……でてない。
あたまがまわらなくなってきた。
しんぞうが、いたい。
「石上くん!!」
「藤原、保険医!!四宮は救急車!!」
「今かけてます!!」
あぁ、ぼく……そういえば、からだがよわかったんだっけ。
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シディア - 続き待ってます。更新頑張ってください。 (2021年10月27日 0時) (レス) @page28 id: 939d5c7779 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白米 | 作者ホームページ:http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/
作成日時:2021年4月1日 22時