nineteen ページ20
ダッと自分の家の方向へ走って行ってしまったA。
どうしたんだろう……
僕、何かおかしい事を……
あ。
＿＿＿石上くん、もしかして姫抱きでAちゃん連れて帰る気ですか！？＿＿＿
＿＿＿これが一番効率良いでしょ＿＿＿
＿＿＿いや、もうちょっとおんぶとか……＿＿＿
＿＿＿後ろに抱くとほら、胸があたるじゃないですか……罪悪感と欲に押し潰されそうで＿＿＿
＿＿＿……まぁ石上くん本人が良いなら私達は何も言いませんけど＿＿＿
姫抱きか……！！
うーん、そりゃそうだよな……寝てたとはいえ、好きでもない男に姫抱きは可哀想だったな……
明日、きちんと学校で謝ろう。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
｢なぁ、A……｣
『ゆ、ゆっ……！！ご、ごめんなさ、わたっ、ちょっと気持ちの整理が……』
逃げられた。
さっきからずっとこの調子だ。
女子に避けられるのは割と慣れてる。
でも、Aに避けられるのは……なんか、今まで仲良くしてきたのもあって……
少し、ほんの少し、ちょっとだけ……悲しい。
はぁ、と少し大きな溜息をつき……僕は人気の無い校舎裏へ足を運んだ。
久しぶりに一人でゲーム……でも良かったけれど、生憎とそんな気分ではなかった。
何度も自分の行動を反芻した。
優しいAの事だから、言葉に出てないだけでデリカシーの無い行動があったかもしれない。
それとも……僕の"噂"を誰かから訊いたのかもしれない。
どっちにしても、絶対きらわれてる。
あー、くそ。
やっぱり弱いな僕は。
慣れてる筈なのに。
こうなる事が当たり前なのに、僕は……
僕は、何を泣いてるんだ。
｢こんなに女々しかったのか……｣
心臓がキリキリ痛んで、Aの事を考えれば考える程にその痛みは増していく。
上げて落とされるって、こんなに悲しいものだったっけ？
きらわれるって、こんなにメンタルやられるものだったっけ？
｢石上、あんたまたゲームし……って泣いてんの？きも……｣
｢うるさい、泣いてない｣
｢いや今がっつり嗚咽が聞こえたんだけど……泣いてたよね？｣
｢泣いてない｣
｢泣いてた｣
｢泣きました｣
｢うわっびっくりした急に素直ね！！……どうしたの？きもいんだけど｣
ナチュラルに罵倒してくるなぁ。
｢……別に、なんでもねぇよ。急に泣きそうになる事、あるだろ｣
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シディア - 続き待ってます。更新頑張ってください。 (2021年10月27日 0時) (
レス) @page28 id: 939d5c7779 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白米 | 作者ホームページ：http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/
作成日時：2021年4月1日 22時
