男と女のABC�� ページ39
．
｢っ……正気ですか！？経験豊富で優しく出来る男ならともかく、相手は初体験の
『だからこそ、じゃないか。それに私だって初めてだし、どうせ初めてなら好きな人としたいじゃない？
それに、本当にしてしまうか判らない行為の為にわざわざチャンスを逃すような愚行はしたくないよ、私としては』
｢……それは、まぁ…僕もそうですけど……｣
よし、優少年の気持ちが揺らいだ！
『ねぇ、私はそんな…邪な想いじゃない、本当に好きだって気持ちを優少年に判って欲しい。
この私にここまで言わせておいて誘いを蹴る程、キミはバカでも冷酷でも無いだろ？』
優少年の白くて骨張った手を取って微笑みかける。冷たいな、緊張してる…？
千花少女はコレが一番効くと言っていた！
つまりそういう事なんだろう、優少年！！
｢……っ、確かに、僕も…一緒に寝たい気持ちはあります。絶対寝ないという決意が崩れつつあるのも現状です。
けど、でも…！僕の欲でA先輩を傷つけてしまうのが、怖くて仕方無い…！！
だから、その気が無いなら……今すぐその手を離してください｣
離す訳無いだろ、この時の為にいくら根回ししたと思ってるんだ。
その努力を棒に振る程私は阿呆じゃない。
｢……本当に、良いんですね？出来る限り自分は抑えますが…
多分、というか必ず裸で朝を迎える事になると思いますよ？｣
『あぁ、優少年相手なら構わないよ』
むしろwelcome！！いつでも襲ってくれ！
｢はぁ…僕の事になると…いや、ならなくてもか。とことん積極的な人っすね｣
ベッドに座り、呆れたように笑う目の前の天使。
｢ほら、来てください。寝るまで…僕の欲が抑えられなくなるまで、二人で話をしましょう｣
にこりと笑いかける優少年。
あぁ、私達はこうやって穏やかな夜を────────
過ごせる訳が無かった。
｢実は大分前から限界でした…日付回るまで頑張った自分を褒め讃えたいですええ本当に｣
お喋りを始めて二時間と経たないうちに、ギシッと音がして私は組み伏せられていた。
ベッドを買う時、兄にセミダブルサイズを頑なに拒否された理由がやっと判った。
＿＿＿ではつばめ少女のようにハンモックじゃダメなのか？＿＿＿
＿＿＿あーダメダメ、論外。そういうの音とか手間とかいう次元じゃないし＿＿＿
霧神A、18歳。やっと、大人の階段を登るようだ。
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作者名：白米 | 作者ホームページ：http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/
作成日時：2021年3月15日 16時
