学者様はやんわり振りたい ページ34
｢あの！き、霧神先輩！｣
見知らぬ男子生徒から話しかけられ、私は乙女モードから先輩モードへ切り替わった。
話を聞く所によると、校舎裏に来て欲しいとの事だ。
『あ、ごめんね？私今、優少年と…』
｢良いですよ、行ってください。ただ…僕以外の男になびくなんて事があったら、その時は……
僕か相手の男どちらかが、この世に居ないかもしれませんね？｣
耳元でサラッと怖い事を囁かれる。
えっえっ、優少年こんなヤンデレ属性だったっけ！？まぁそれでも私は良いと思うけど……
『じ、じゃあ優少年！すぐ戻るから！』
｢はい、約束ですよ〜｣
目が笑ってないよぉ……こういう時の優少年は凄く怖い。
ハイライトが一切無いし何か見透かされてるような気がするし……
どうやって始末するか考えてるようにしか見えないんだよなぁ。
｢す、好きです…俺と、付き合ってください！｣
っあー…そういう感じか……
『生憎私、好きな人が居るから……ごめんなさい、その気持ちには応えられない…
怖かったよな、告白するのって凄く勇気の要る事だもの。私も覚えがあるよ。けれど…ごめん。
私、好きな人以外の男の人は…異性として、見れない。本当に、申し訳無いばかりだ』
少し、残酷な答えだったかもしれない。
でも優少年にだって"変に期待をさせて希望を持たせないでください。絶対につけ上がります"って言われてるし…
｢そ、んな……俺、ずっと好きだったのに……｣
『その気持ちはとても嬉しいと思ってる。私の事を好きな人として認めてくれて、ありがとう』
ただ、君の知ってる私は本当の私じゃないんだ。
嘘で作った仮面を好きだと言われても…ねぇ。
あー、振っておいてこんな事を考えてるとか、いよいよクズだな、私。
｢で、でも俺は…！貴方の為に、必死で自分磨きを｢あの、話終わりました？｣｣
ゆ、優少年！？
『一体どうしてここに！』
｢あ、ごめんなさい、遅いから来てみたんですけど…まだ拒絶の途中でしたか？｣
拒絶って……
｢うーん、あんまり人の恋愛に首を突っ込むのは好きじゃないんですが…やっぱり我慢出来ないので正直に言いますね。
つけ上がるなよ、この人は俺のだ。
悲劇のヒロインのつもり？泣き落としが通用すれば振られる人なんてこの世に居ねぇんだよ。
残念だけど、新しい恋を探してくれ。先輩があんたに惚れる事は無いよ｣
『…優少年、今のは流石に……』
やり過ぎ、なんじゃないか？
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作者名：白米 | 作者ホームページ：http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/
作成日時：2021年3月15日 16時
