阿天坊ゆめはからかいたい ページ32
『フフフッ……優少年、魔女の館、だって。入ってみないかい？』
ゆめ少女はカップルを見ればおちょくらずには居られない性格！
さぁ優少年！紅潮仕切ったその頬を早く見せてくれ！
｢あら〜霧神、その様子を見ると、お気に入りは見つかったのね？｣
『はぁ、お気に入りじゃなくて未来の旦那様だからね。そこら辺ちゃんとしておいてくれ』
｢何を真顔で否定してるんですか……｣
｢あらあら、旦那様ってとこは否定しないのね、もう付き合ってるのかしら？ちゃんと避妊はしてる？｣
『そういう事した事ないし普通に避妊はちゃんとするから早く占ってくれ』
優少年がオーバーショートしてるじゃないか、可哀想に……
まぁそんなウブな所も可愛いけれど！
｢さて、今日は何を占ってあげましょうか？せっかく二人だから相性占いでもしましょうか｣
『んー、そうだなぁ。私達が結婚したらどうなる？』
｢けっこ……！！｣
未来の事だからね、ぼんやりとでも知っておいた方が心の準備とか出来るだろう。
既に優少年の頬はほんのりと紅く染っており、前髪がそれを隠そうとするように優少年の顔に覆い被さっている。
｢石上くんが三月三日生まれの出生体重2975kg、霧神が八月三日生まれの出生体重3018kg……｣
なんで全部知ってるんだこの子！
幼馴染の私はともかく、なんで優少年の出生体重知ってるの！？
是非情報源を知りたいんだけど…！
｢ふぅん…貴方達相性はとても良いわよ。
石上くんは考えるより先に体が動くけれど、それが結果的に良い効果を生み出す事も多々あるわ。
ただ、もう少し大胆に行動しても悪い結末にはならないみたいね。
まだ妻でもヘタレでもないけどね！
｢霧神は固く閉ざされた扉ね。選ばれた鍵を持つ者しか開けられないし、その鍵はたった一つ。
相手を信用しにくくて、
まぁその分相手に対する絶対的な信頼を置いてるから、この子に信用さえされれば夜にはナニをしても良い｣
『最後の最後で何を言ってるんだキミは！そんな結果出て無いだろ！』
｢統計値としてそう出てるのよ｣
しゅうっと湯気が出てるように真っ赤な優少年と共に、私達はフラフラと魔女の館を出た。
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作者名：白米 | 作者ホームページ：http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/
作成日時：2021年3月15日 16時
