秀知院の学者様は結婚したいver.2【石上優】【かぐや様は告らせたい】 (ページ31)

今日:25 hit、昨日:14 hit、合計:5,813 hit

学者様は惚気けたい② ページ31

｢もう、探しましたよ……もうそろそろ一日目終わっちゃいますよ？｣

『ふふ、ごめんごめん……ねぇ優少年、贈り物をされるならどんなタイミングが良い？』

｢贈り物、ですか？……うーん、そうですねぇ…｣

優少年は一つ、考える素振りを見せてからポン、と手を叩きこう言った。

｢明日のキャンプファイヤーですかね。

あんなキラキラした物の前でプレゼントされたら、きっとロマンチックですから｣

はにかみながら言った優少年は、沈み始めた太陽の所為か……

とても色っぽく、大人の男性のように見えた。

私が、大人の色気を無意識に優少年に求めている所為かもしれない。

けれど、台詞も表情も、その全部は大人でもなく子供でもない、一人の優少年だったから。

どうしても｢色っぽいね｣や｢可愛い｣等と言う褒め言葉は私の口から出てこなかった。

『キャンプファイヤー、か……』

やってみようかな。

優少年がときめく瞬間でプレゼントしたい。

きっとその方が、優少年の勇気ある行動と釣り合う気がした。

『一緒に帰らないかい？もう少し、話していたいんだ』

｢ええ、喜んで｣

私から離れすぎず、それでいて一歩前を歩き私をリードする……

緩急の付け方が個人的に素晴らしい。私好みすぎる。

『……フフっ』

格好良いなぁ。電車の心地よいリズムに揺られながら、私は優少年の肩に頭を預けた。

｢どうしました、ニヤニヤして。いつも通り気味が悪いですよ｣

『酷いなぁ、優少年ったら！私はいつでもキミの可愛いお嫁さんだよ？』

｢およっ…はぁ、ヤダヤダ。そうやって僕を誘惑してるんでしょうが、僕には効きませんからね｣

ふいっとそっぽを向いた優少年の長い髪の隙間から見えた耳は真っ赤で、愛しさが湧き上がってくる。

なんて可愛い、私の彼氏なんだろう。

幸せ者、だな。

『顔が真っ赤だよ、優少年。こんな事実復唱で林檎のように真っ赤になっていては、これからの結婚生活危ういぞ？』

｢～っ、だから！結婚、とか…妻とか、嫁とか、旦那とか！
そういうの、本当…高校生男子には刺激が強すぎるんですよ…｣

旦那は言ってないんだけどなぁ。

｢あんたいちいち、可愛すぎるんです……自分の顔面、もうちょっと自覚してください……
A先輩の一言一句、仕草一つ一つ……僕好みすぎるんですよ……｣

周りの人がなんか睨んでるような気がするけど、優少年が可愛いからいいや……

阿天坊ゆめはからかいたい→←学者様は探したい