学者様は探したい ページ30
『うぅ、一体どこにいるんだ、優少年……』
この短時間で一体、君はどこへ……
｢ねぇ見て、あの子さっきの……｣
｢マジだ、そら告るわあの顔面だもん……｣
｢あの根暗くんの気持ちもわかっちゃうなぁ私……｣
優少年があんな事するから、めちゃめちゃ注目されるじゃないか！
私は、あんまり……元々は目立つの嫌いなのに……
『！あれは、会長とかぐや少女……』
優少年を見なかったか！？と、問いただしたい所だけれど……
なんだか、良い雰囲気のようで、邪魔するのは気が引けた。
自分が優少年と一緒に居られないからって、嫉妬して横槍を入れるのはあまりにも醜い。
そんな私じゃあ、優少年には釣り合わないから……
｢あら〜霧神、どうしたのこんな所で一人。いつも
『ゆめ少女。侍らせているは余計だよ、それと根暗くんじゃなくてきちんと固有名詞で呼んであげてくれ……』
｢ええ、気をつけるわ。それで？
その根暗くんとはぐれているのか約束出来なかったのかは知らないけど、一人でどうしたの？｣
直ってない……
『実は、その……皆の前で、ハートを贈られてしまって…』
｢あぁ、奉心伝説の？｣
『うん。それで、その…私もお返ししたいんだけど、肝心の優少年がどこに居るのか判らなくって……』
先輩として、未来の妻として恥ずかしい……
｢あら、貴女にしては珍しくしおらしいわね。まるで前の貴女みたい｣
『やめろ、その時代の事は言うな……！
ゆめ少女は優少年、見なかった？』
｢いいえ、見なかったわ。あぁでも、一つ言える事はあるわ。見つかっても学園内では致さないようにね？
致す時はきちんと家で、避妊してから。私達はまだ高校生なんだから｣
『公衆の面前でなんて事を言うんだ！！私と優少年はまだ健全なんだから、そんなおいそれとセッ……
をする訳無いだろ！』
ゆめ少女に訊いて損した、さっさと探しに行こう……
うぅ、早く出てきておくれよ優少年……
｢A先輩、どこだろう……｣
……っ！居たぁっ！！
『ゆっう少年〜！！』
私は思わず飛びついた。
｢わあっ！！突然抱きつかないでください、怖いなぁ｣
そんな事を言っても、絶対拒んだりしない君は…やっぱり私に甘すぎやしないかい？
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作者名：白米 | 作者ホームページ：http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/
作成日時：2021年3月15日 16時
