学者様はパニクらない(と思いたい) ページ28
『次、私の教室へ向かわないか？』
｢はい、A先輩が喜んでくれるなら｣
くうっ、一見主体性が無いように見えるかもしれないこの発言……！
だがその奥には優少年の優しさが隠れており、一人でなんでも進めたい私の意思を尊重する紳士…！！
尊い……
『じゃじゃーん！ここは私とつばめ少女が中心となって一生懸命クラスで作った縁日だ！
秀知院には縁日に行った事がない人も多いからね、少しでも経験を増やせればと私が……』
｢でもA先輩も僕と行ったのが初めてですよね｣
『……さて、こっちには的当てがあるんだ！』
｢話逸らした……｣
逸らしてない。こっちの話題の方が私達にとって有意義だ。
『うわっ、なんだあのハートクッキー！？』
｢あ、霧神〜！あれね、遊びで作ったんだけどね、意外と上手く出来たから景品にしちゃったんだ〜｣
『へぇ……』
可愛いなぁ、あんなの貰えたらとってもキュンキュンしてしまうに違いな────
｢一等で〜す！！100点出ました〜！！｣
『嘘だろ優少年！？』
｢いや、自分でもビックリです……玩具屋次男坊の面目は保てましたかね｣
『あはは、それ面白いな！景品は何が欲しいんだ？100点ならなんでも……』
｢あ、じゃあそのクッキーで｣
｢どうぞ〜｣
ハートのクッキー……！！優少年って甘い物好きだったっけ？
可愛い物を好むような、そんな女子力あったっけ？優少年がハートのクッキーなんて選ぶ理由は────────
｢どうぞ、A先輩｣
『え？……え？
優少年、コレ、どういう意味か判って……』
｢？意味なんてひとつしかないでしょう、
コレは僕の気持ちです｣
100％、公開告白だ━━━━━━━━━━━！！！
｢ひゃー、優くんだいたーん……｣
『あっ、あわっ、あわわっ……！！ゆ、優少年、ここは皆が見てるからね……！
いくら私達が将来的に籍を入れる関係だとしても流石にこういうのは人の目もあるしで中々恥ずかしかったり』
｢何を早口で言ってるんですか？｣
『と、とにかく……そういう意味で、受け取って…良いの？』
｢？？構いません｣
『っっ……！！ごめん、ちょっとお手洗い〜！！』
｢A先輩！？逆方向ですよ━━━━━━━━━━！？！？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 22人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白米 | 作者ホームページ：http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/
作成日時：2021年3月15日 16時
