生徒会は探りたい ページ23
｢すいません、霧神先輩……｣
｢ひっ……！！すみません、あとでぇっ！｣
タッタッと駆けて行ってしまうA先輩。
｢これでは生徒会の仕事もままならんな……｣
｢何か白衣の代わりになるものを着せればいいんじゃ？｣
｢白衣の代わりになるもの……｣
皆がジトっと僕を見る。
『えっ、なっ、なんですか……』
｢いや、その学ラン……｣
｢丁度良さそうだなぁー、と。｣
『ぼっ、僕の制服をA先輩に着せる気ですか！？』
返してもらった後よからぬ事に使いかねないんだが！
｢ほらほら、着せてあげないと元に戻らないですよー。｣
｢何事も挑戦です。｣
『他人事だと思って〜！
……A先輩、白衣の代わり……と言ったらアレですが…これ、良かったら着てください。』
｢え！？ぁ……｣
固まるA先輩。
しばらくすると、にへぇっと口元が緩み始めた。
｢えへへっ、優少年の今日着てた制服……♡えへへっ、えへへへっ……えへぇっ｣
『…やっぱ返してください。』
｢ぁっ、石上くん……｣
｢なんか石上くんの学ランを着せちゃうと変態さんになっちゃうみたいですね……｣
｢着るものによって性格が変わるんですか！？｣
｢あ、なら…ミコちゃん、ちょっと腕章貸して！｣
｢わ、私のですか！？｣
藤原先輩は｢ちょっと失礼♪｣と、A先輩の腕に風紀委員の腕章をはめた。
｢…？優少年、制服はきちんとしないとだろ！？ほら、前髪ちゃんととかして……
うん、かっこいいね。
もう、ちゃんとしないとめ！だからね！｣
…キュンとする……可愛い……けど……
『ダメですね。いつも伊井野みたいなのが僕に引っ付いてるとか、考えただけで怖気がするので。』
｢何よその言い様は！｣
どうやら、A先輩は服装に影響を受けやすいらしい……
この前デートした時もガーリィな服を着てたからちょっと女の子らしかったし……
｢じゃあ、かぐやさんのリボン！｣
｢……石上くん、勉強はキチンとしてる？大学に落ちない為には今から勉強しとかないと、結婚出来ないだろ…？
というか今日はいつもより口角が3mm程上がっているね、何か良い事があったの？実にお可愛いね。｣
『……ダメですね。呼び方が嫌です。僕はA先輩に呼ばれるなら優少年と呼ばれたいです。』
｢え〜…じゃあ……極黒リボン！｣
『｢｢それはダメ！｣｣』
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作者名：白米 | 作者ホームページ：http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/
作成日時：2021年3月15日 16時
