秀知院の学者様は結婚したいver.2【石上優】【かぐや様は告らせたい】 (ページ12)

今日:8 hit、昨日:40 hit、合計:5,836 hit

石上優は告りたい② ページ12

『……会長。告るにはどうしたらいいっすかね……』

｢うぉっ、なんだ急に。そりゃパパっと｢好きです、付き合ってください｣って言えば……｣

『そういう雰囲気に持ち込むにはどうしたらいいのかって話ですよっ！』

あの人、自分が攻めてばっかりで僕にはちっとも攻める隙を与えてくれない……

理不尽だ。こういう時こそちゃんと役割を分担しなきゃいけないだろう。

｢そうは言ってもな、告った経験なんて俺には無いし……｣

『もうそろそろ告らないと、本格的にヤバいんですよ……』

｢ヤバい？｣

『……会長、知らないんですか。A先輩の進路……』

｢…そういう事な。俺も知ってる。藤原と四宮は知らないらしいが、石上はその情報どこで手に入れた？｣

『たまたま聞いちゃったんですよ。悪戯好きなA先輩の事です、きっと僕に早く告れって言う意思表示です。
このままじゃA先輩は後半年もしない内に手の届かない遠い人になる。
僕はそれまでに、ただの後輩じゃない…恋人になる必要があるんです』

もうプライドがどうとか言ってふざけてる場合じゃなくなってきた。

早く告らないと、A先輩は海外に───────

｢あまり焦るな、石上。急がば回れだ。
そういうのは何も考えてなくても、相手を見てれば自然に出てくるもんだぞ｣

『自然に、出てくる物ですか……』

｢待ってみるんだ。己の中から言葉が出てくるのを｣

『……判りました。少しだけ待ってみます』

あと一ヶ月、待ってみよう。

━━━━━━━━━━━━━━━

『ダメだ、全く出てこない……』

｢？｣

『会長が言った通り、僕待ったんですよ！なのに！待ったのに！全く出てこないんですよ！告る言葉が！』

｢それは、それは……｣

『一ヶ月無駄にしただけじゃないですか！
もうあと数週間しか残ってないじゃないですかバカヤロウ！』

｢俺に言われてもな……｣

『とにかくマジで告らないと後々やべぇ事になるんです、だから僕は……』

｢俺が言いたいのはそういう事じゃない。
霧神先輩と過ごして、霧神先輩の事をよく見るんだ。観察は石上の得意分野だろ？｣

『……はい、まぁ』

｢だったら話は簡単だ。何回でもチャレンジだ、石上｣

くしゃっと頭を撫でられる。

『……判りました。やります。A先輩に自然に告ります』

今度こそ、告るんだ。