“元”不登校様は告らせたい【不登校ネタ】 (ページ6)

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五十二話ページ6

『いっ、石上！おはよう……き、昨日の心理テストだけれど……』

｢あぁ、信じてないよ。僕もあのテストの結果四宮先輩だったし｣

『そ、そうなのね……』

それなら安心。

『最近、寒くなってきたわねー』

｢もう十二月だしな。すぐに文化祭、その直後にはクリスマス、一週間後には年末年始。忙しくなる｣

『あぁ、予算が大変そうね……』

｢生徒を楽しませたいと本気で思ってるんだったらもうちょっと寄付を増やして欲しいね｣

『まぁ、昨今の不況もあるし、寄付が減少傾向なのも理由があるんでしょうけど……流石にカツカツじゃない？』

｢うん。余裕なんて全く無いよ。削れる所は削っていかないと、本格的にヤバくなってくる｣

『でしょうね。あんまり無理はしちゃダメよ？貴方がダウンしたら予算所じゃなくなるんだから』

｢わかってるよ｣

私も庶務としてできる限りサポートはするつもりだ。

でも友達以上の何者でもない今、下手に動けない。

好き認定行為になってしまうリスクもあるし、表立ってフォローをする事は難しいだろう。

となるとうちからの寄付を増やすしかない…けれど、お父様が私の言葉で動くとは思えない。

私のポケットマネーにしても、高々数十万……たったそれだけのお金で財政が潤うとは考えにくい。

何か、いい案があるだろうか…？

｢……もしかしてだけど天羽、僕の事フォローしようとか考えてる？｣

『なななっ、なんの事…………まぁ、そうよ。このままじゃ貴方、無理をしそうだし』

｢嬉しいけどやめとけよ。それで天羽が無理をしたりなんて事になったら本末転倒だ。
仕事中天羽が話し相手になってくれるだけで、割と精神的に余裕はできてる｣

『嬉しい事言ってくれるわね』

本当に助かってるんだろうな、という事は石上の色を見ればわかる。

『よしっ、じゃあ私、今日は特別でとびきり美味しい紅茶を淹れてあげる。』

｢さんきゅー。天羽の淹れる紅茶の味、僕好きだよ。｣

自分に言われたのかと思って、思わずびっくりした。

……おかしくなる程石上の事が好きなんだな、とつくづく思う。

ただの男子高校生に、なんで私はこんなに惚れ込んでいるんだろう。