“元”不登校様は告らせたい【不登校ネタ】 (ページ34)

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八十五話ページ34

『はぁ、この班意外とうるさいのね……』

伊井野と小野寺がうるさいし、大仏は読書で忙しそうだし……

優に至ってはゲームね。

『優、それ、面白いの？』

｢……まぁまぁ｣

へぇ、まぁまぁなの。

『大仏は何読んでるの？』

……"ナカまであいして"……

『大仏、こういうのも読むのね。綺麗な絵だわ。読書の邪魔をしてごめんなさい。返すわね』

｢あっあ、天羽さんがそういうのに理解ある人で良かったよ……｣

絶対、絶対触れない方が良い奴だ……

｢天羽さんポッキー要る？｣

『貰うわ、ありがとう』

貰ったポッキーを口に軽く含み、優の前に差し出してみる。

『優、ポッキー要る？』

｢ん……貰う｣

優はなんの疑いも無く、私の口からポッキーを口で受け取った。私の手から受け取ったつもりなんだろう。

そう、ポッキーゲーム状態よね。

｢……ん……！？｣

慌てて優が口を離そうとするも、

『一度食べた物を出すなんて行儀が悪いわ』

私ががっしりと優の頬を捕まえたので叶わなかった。

私が積極的に食べ進めたので、むにっとキスしてしまった。

いえ、しまったというかそうなるように私が仕向けたのだけれど。

『美味しかった？』

｢こっ……この状況で味なんて分かる訳無いだろが！！｣

｢きゃー、リア充がイチャついてるよ伊井野｣

｢全くこの二人は……｣

｢俺の所為じゃねぇよ！！！｣

ふふっ……美味しかった。

『次はチロルチョコゲームをしましょうね？二人っきりの部屋で……』

｢っお前……一体どこで覚えてきたっ、そんな言葉！｣

東雲に決まってるじゃない。

楽しみだわ、優と二人っきりのチロルチョコゲーム……

｢絶対、絶対絶対！僕の純潔は奪わせないからな！｣

真っ赤になって私を叱る優。こんなに初心だったかしら？

｢なんだ、天羽と石上、まだヤって無かったんだ｣

｢てっきりクリスマスにはもうデキてたのかと……｣

｢や、ヤってる訳無いだろ！？僕達はまだ健全な男子高校生で……！｣

『だって優が意気地無しで中々誘ってくれないんだもの。私はいつでも準備出来てるのよ？』

ほぅ、と息を優の耳に吹きかける。

｢ひぃんッ……！？｣

女の子みたいな声を出すのね。

｢もー、あんまり童貞いじめちゃ可哀想だよ天羽｣

『だって可愛いんですもの』

｢これが彼氏持ちの余裕か……｣