“元”不登校様は告らせたい【不登校ネタ】 (ページ29)

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八十話ページ29

『……最近、Aが変態なんですよね……』

｢変っ…！？何があった、お前達……｣

『この前、僕ちょっと会計作業が遅くなってしまって、帰るのが少しだけ遅れたんです。
んで、Aには先帰って貰ってたんですけど……家に帰ったら、母親がニコニコ顔で
〈彼女さん来てるわよ～〉と』

｢ほう、知らぬ間に親と知り合っていた訳か。でもそれだけで変態と認識するには……｣

『はい。
まぁAが僕の家に勝手に上がってるって所を話のオチにしても良いんですが、残念ながら問題はここからでして。
へーA来てるんだーと考えながら自分の部屋に上がった訳です。したら、ですよ』

一気にまくしたてて居たのを一旦やめて、一呼吸おいて話を続ける。

『Aが、僕の服…まぁ、上着とかTシャツとかで、巣作りしてたんです……』

｢巣作り…？鳥とかの？え、天羽って鳥だったの？｣

そっか、会長はBLとか読まない人か……

『巣作りっていうのはですね、例えばこう……パートナーの服とか毛布とかを使って、自分を囲むんです。
囲むっていうかなんでしょうね…まんま、鳥の巣みたいに自分の周りを相手の物だらけにするんです。
僕はやった事ないので判りませんけど、安心するらしいですね』

まさか自分の恋人がそれやるとは思ってなかった……

｢あー、でもなんか判るかもな。
天羽は部屋に物散らかすタイプじゃないし、かと言って寂しがり屋じゃ無い訳じゃ無いからな。
俺の予測からするに、シャンプーとかリンスの他に、その人そのものの匂いってあると思うんだよな。
天羽はそういうのを求めて……｣

『なんか急にめちゃめちゃキモイ事沢山語りますね……』

まぁ巣作りを否定するつもりは無い。

僕だって実際したら安心すると思うし、しちゃう気持ちはちょっと判る。

『でも、他人の部屋に勝手に上がっといて、勝手に巣作りして僕の服に囲まれて幸せそうに寝てるのは……
いくらなんでも、反則過ぎやしませんか……』

可愛いが過ぎる……一瞬押し倒してそのまま襲いそうになった……

起きたらめちゃめちゃ慌てて

｢優っ！こ、これは違うの…！！ただちょっと、優の部屋ってなんか安心して…ってこれじゃ変態だわ！｣

とか言って必死に言い訳して……

『もうほんと可愛い……』