“元”不登校様は告らせたい【不登校ネタ】 (ページ27)

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七十八話ページ27

｢絆っ……！？｣

『判らない！？心の奥底に渦巻いてる、ドロドロした独占欲！それを乱されると、どうにも気分が悪い……！
優には無いの、こんな気持ち！』

｢独占欲……｣

優は少し考える素振りを見せてから、しっかりと私の目を見て話した。

｢あるよ。正直言って、Aが会食だとかで僕の目の届かない所に行くのだって嫌だ。
穢い気持ちなんかいくらでもある。
｢Aが天羽家のご令嬢じゃなくて、普通の一般庶民で、外部入学でも何でもして僕と出逢えた世界線なら……｣
そう考えた事だって何十にも上る。
でも、僕なんかがAの交友関係に口出す権利無いからさ。今ある物で我慢してるつもり。｣

『……そうね。私も｢私が一般庶民で優も社長子息なんかじゃなくて、普通の高校生だったら……｣
なんて、考えた事あるわ。だって、もしもそうだったらとっても素敵だと思わない？
親の目も世間の目も気にせず、普通の恋愛が出来るのよ？
…でも、こんな事考えてもしょうがないのよね。』

優が言った通り、今ある物で我慢するしか無い。

こんな妄想はグシャグシャにしてゴミ箱に捨ててしまおう。

だって、優は私の妄想なんかよりも現実の方がうんとかっこいいから。

『好きよ、優。』

｢僕も好き。｣

『生徒会室行きましょ、皆待ってると思うわ。』

｢あぁ、そうだな。助けてくれてありがと、A。｣

額の髪を退けられて、ちゅっと口付けを落とされる。

『……！！そ、そういうのズルいわ……』

｢Aもやれば？｣

『私の背丈じゃ貴方の額になんてとても届かないじゃないのよ！』

｢確かにそうだ。今度気が向いたらしゃがんでやるよ。｣

『馬鹿にして～！』

けらけらと笑う優。

可愛いな、なんて思ってしまう自分が居て。

『あーあ、なんか告らせようとしてた時が馬鹿みたいだわ。
さっさと私から告っておけば、こんな幸せがもっと前から続いてたのに。』

｢うーわそんな事しようとしてたのかよ……今思えば、僕ってどれ位前からAの事好きだったんだろ。
高校上がって、Aが登校始めた時にはもう好きだったよな…？なら、中等部辺りか……｣

『もうっ、そんな恥ずかしい事追究しないで！』

｢ハイハイ。｣