七十話 ページ24
『……調子良く言ってしまったものの、優ってどんな物を贈られたら嬉しいのかしら……』
私って優の事何も知らないのね、情けない……
しばし熟考した末、私は携帯を取り出して電話をかけた。
《もしもし》
副会長だ。
『あの、今ですね。優のクリスマスプレゼントを選んでるんです。
でも私、全く優が好きそうなのとか判んなくて……』
《無駄に奇を衒うというのもすべった時大恥ですからね……》
『でもでもっ、他のプレゼントとは差をつけたくてっ!』
《……そうね、なら私もやった秘技を教えてあげます。きっと石上くんもキュンとする筈》
『秘技っ!?教えてください!』
《まず、文房具店に向かいなさい──────》
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待ち合わせ場所でスマホをいじっていると、向こうからAがやって来た。
「あのっ、これ……家に帰ってから開けて頂戴!」
『お、おう…僕からは…これ。A、お洒落とかしないだろ。
僕が今まで見たのだって、ネイルが一度きりだし』
「やっぱり気付いてたんじゃない!なんで言ってくれなかったのよ!?」
しまった、墓穴掘った!
『いや、あの時は……でもちゃんと、伝える努力はしたから!』
「これからは私がお洒落してたら、きちんと褒めなさいよね」
『勿論。さ、次はどこ行く?』
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『ただいまー』
なんて言っても出迎えてくれるような家族は居ないので、大人しく自分の部屋に戻る。
そういえば、家に帰ってから開けろってA言ってたよな……
『……スケジュール帳……』
なんか、無難だな……
何の気なしにその手帳を開いてみると。
〔一月七日 始業式
やっぱり優は制服姿がよく似合ってるわ〕
〔二月十四日 バレンタインデー
楽しみに待ってなさい〕
〔三月三日 貴方の誕生日
プレゼントは一体なんでしょうね?〕
〔三月十日 卒業式
つばめ先輩にきちんとお礼言っときなさい〕
〔三月十四日 ホワイトデー
今年はいくつ作る事になるの?〕
〔三月二十日 修了式
一年間お疲れ様〕
〔四月七日 始業式
同じクラスになれるかしら〕
〔五月五日 伊井野の誕生日
何を贈ろうかしら?〕
〔七月二十五日 生徒総会
忙しくなりそうね〕
〔八月二十日 花火大会
一緒に見ましょう〕
…
『…反則、すぎだろ……』
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竜の落し子 - うがあああああ続きが見たぁあああああい😢 (2022年2月20日 22時) (レス) @page33 id: 1eb9639434 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白米 | 作者ホームページ:http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/
作成日時:2021年3月12日 16時