“元”不登校様は告らせたい【不登校ネタ】 (ページ23)

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六十九話ページ23

｢優～っ！｣

大きな声で僕を呼んで、ブーツのヒールも構わず走ってくるA。

あぁー可愛い。

好きだ(真顔)。

『ブーツ履いてるんだから走っちゃ転ぶぞ……』

｢私の運動神経を甘く見ないでくださる？｣

『それもそうだったな…』

｢早速ショッピングモールにLet's goよ！｣

『ハイハイ。』

るんるんと前を歩くA。

こんなにご機嫌なAを見るの、初めてだな。

そもそもこうやって二人でいる事すら信じられない。

まさかAが学校に来るなんて、思ってもなかった。

あの一言もダメ元で言ってみただけなのに、よもや会長がマジになって引っ張り出すとは。

やっぱりあの人、凄いなぁ。

｢優？どうしたのかしら、何か良い事でもあった？｣

『いいや、特に何も』

｢最初はどこに行く？服を選んでもいいし、映画でもいいわね。
あっ、忘れてたクリスマスプレゼントを買いに行きましょうか？｣

『そうだなぁ……』

しばし、立ち止まり考える。

映画…はAが僕以外の事に集中しちゃうからナシかな。

服…は完全に僕好みになっちゃいそう。

クリスマスプレゼント…は、アリかも。

『クリスマスプレゼントは？二人でそれぞれ別の買って、贈りあうとか』

｢良いわね、それ！そうしましょそうしましょ！一時間後またここで！｣

『おう』

さて、何を買おうかな…

やっぱり無難にハンカチ？

アクセサリーも僕は判んないからナシかな。

うーん、Aん家って大体一級品揃ってるだろうしなぁ～…

……チート使うか。

僕はスマホを取り出して、一つの番号に電話をかけた。

《もしもし、どうかしたか？》

会長だ。

『今実はですね、Aへのクリスマスプレゼント選んでるんです。
女子ってどんなの好きなのかなぁと考えあぐねた末に、経験豊富そうな会長に相談を、と』

《天羽の好みなんて俺には判らんが……
女子が好きそうな物か……あれはどうだ？熊のぬいぐるみ》

『気持ち悪いです。最悪のプレゼントですね、僕なら速攻別れると思います』

《そ、そんなにか！？なら、髪を結う用のリボンとか。
見た所天羽ってあれだろ、自分の美容についてそんなに関心がないというか》

『あー、まぁ確かに外見に無頓着な所はありますね。いいですね、リボン』

如何に気持ち悪くない柄の物を選ぶかの勝負だな……

僕は会長と相談しながら歩き出した。