“元”不登校様は告らせたい【不登校ネタ】 (ページ3)

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四十九話ページ3

『私と石上、伊井野で文実のヘルプですか』

｢あぁ。今年も人手が足りなくなりそうなんでな。念の為天羽庶務には伝えておこうかと。
まぁでも、今年は何かの影響で希望者が増加するかもしれん。70%位で考えておいてくれ｣

『大変嬉しい指示なのですが…流石に、元不登校の私を文実に指名すると色々な問題が……』

｢言いたい奴には言わせておけ。手を出した奴がいるとなれば、話は別になるが……
天羽家のご令嬢にそんな事をする命知らずはこの学園に居ないだろう｣

『それはつまり……』

何かあってから対処する、と？

｢決して天羽庶務の事をぞんざいに扱っている訳では無い。
ただ、一人の生徒を特別扱いするというのは中々にリスクを伴う行為でな……｣

成程。全校生徒の信用と私のあるかもわからない恐れを秤にかければ、そうなるのは頷ける。

『ええ勿論、解っていますよ。ご安心ください。
会長がそんな事をするお人だとは思ってませんから。石上達にこの事は？』

｢まだ言っていない。
あくまで可能性の話だから、無駄に気負いして欲しくないというのもあるからな｣

『それが正しいでしょう。比較的仕事の少ない庶務である私に言ったのは良い判断です』

｢いや別にお前がラクそうだと思ってこの話をもちかけた訳じゃないぞ！？｣

『ふふふ、わかってます。コーヒーでも淹れます、どの豆がお好みですか？』

｢なんでもいい。農家の人には悪いが、カフェインを摂取出来ればそんなに変わらんからな｣

『それもそうですね。では適当に選んでお淹れします』

自分用にも一杯淹れ、ソファーに座ってコーヒーを嗜む。

｢ところで、天羽庶務は石上会計の事が好きなのか？｣

思わずコーヒーを吹いてしまう。

『ななななっ、なんでそれを？どこで？いつ？誰から？』

｢いや別に、誰からとか言う訳じゃない。
ただ、天羽庶務は特に石上会計の事をよく見てる気がするから。
それに、石上会計といる時の天羽庶務は特に楽しそうだ｣

『いつ？いつ頃から、お気づきに？』

｢体育祭辺り？｣

『あぁ…そうですか……。気づいてたなら言ってくださいよ、水臭い……』

｢いやまぁ、自分でも気づいてなかったっぽかったからな。
あと単純に言わない方が面白そうだったからってのもある｣

『会長のいじわるぅ……』