“元”不登校様は告らせたい【不登校ネタ】 (ページ17)

今日:11 hit、昨日:1 hit、合計:8,436 hit

六十三話ページ17

私の家柄上、付き合っている事は誰にも言えない。

外部の人間に知られれば、優がどうなる事かわかったものじゃないからだ。

日本の財界令嬢においてトップクラスの立ち位置にいる私は、結婚もしていない為言っては悪いが今が旬だ。

私と家を継がない息子を結婚させれば天羽家とのパイプも繋がるし、要らない息子も役に立つ道具に早変わり。

一石二鳥という訳だ。

でも……

『優、ここ間違えてるわ。資料2は予算の増減を示すグラフだから……』

｢んー、ほんとだ。さんきゅ、A｣

『…別に、大した事ないわ』

そうやって微笑まれても嬉しくなんかないんだからねっ！(テンプレ)

｢……さっきから皆思ってると思うけど……｣

｢石上と天羽さん、距離近くない？｣

『｢ばっ！？｣』

隠し続けていても、嘘はいつかバレる。

｢確かに、天羽さんは率先して石上くんの隣へ座りましたね｣

｢この前まで苗字呼び捨てだったのに、名前呼びしてますね～！Loveの匂いがしますよ～？？｣

藤原先輩は犬だった…？(迷走)

｢ほらほら～、何かあったんでしょ～？言ってみなさーい！｣

｢うぅ～……天羽、言っても良い訳？｣

『……別に、良いんじゃない？皆さんが秘密を簡単にバラす口じゃないのはわかってるし。
生徒会メンバー位にならバレたって……』

｢…じゃあ言うけど……えーと…僕達、文化祭の二日目から付き合ってますっ！｣

｢きゃあ～っ、やっぱり！？｣

｢どっ、どこまで進んだ！？｣

｢告白はどっちから！？｣

｢その…気分的にはどんな感じだ！？｣

予想していた通り、皆から質問攻めにされる。

『キスから上の事はまだしてないです……』

｢告白は一応…Aから……でも付き合ってくれって言ったのは僕なので…そこら辺はグレーで｣

『気分的には…まだ、ふわふわしてます。なんか……信じられなくて……』

｢きゃあ～、乙女～！｣

そんな時、私のスマホが一件の通知を受け取る。

件名・本邸へお越しくださいませ

本文・御当主様がお呼びです。明日、至急本邸へ向かわれてください。

『！……すみません、明日、本邸へ向かわなければ行けないようで……お休みします』

｢そうですか……あまり立ち入った事は言えませんが、無理はしないでくださいね｣

『ええ。お気遣いありがたく受け取ります』

…さて。明日、どんな地獄が待っているのかしら。