“元”不登校様は告らせたい【不登校ネタ】 (ページ11)

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五十七話ページ11

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『……どうしましょう。一体これはどうした事なの？あらあらあら、本当にいかが致しましょう』

｢喋り方どしたし？｣

｢昔から天羽は慌てると口調が丁寧になる。これ天羽豆知識な｣

｢そして変に冷静になるのよね｣

『……三人共、落ち着いて聞いて頂戴。
文化祭まで後一週間を切ったのに、まだ作業の進展が半分以下ですの』

｢とりあえず落ち着きなよ｣

｢落ち着いて、天羽さん。学級会を開いたら？｣

『でも私が開いても絶対皆聞いてくれないし』

｢信用ある人が皆を集めれば良いんじゃない？｣

じとっとした眼で小野寺を見る。

｢あーハイハイ……やればいいんでしょ、やれば｣

そして、私達のクラスの出し物はバイノーラル音響を使ったホラーハウスに決定したって訳だ。

｢天羽、ガムテープ～｣

『了解。伊井野、恨んでくれるな……』

｢ん゛ーっ！！｣

｢……変わったよな、天羽。｣

『？どこが？』

｢前は他人に指図されるなんて大嫌いだったのに。なんていうの、人を拒絶する雰囲気が凄かった｣

『……黒歴史よ。忘れて頂戴。それに、石上も大分変わったんじゃない？
前より明るくなった……って言うのかしら。なんだが根暗っぽさが少なくなった気がするわ。後は……』

｢後は？｣

『…いえ、なんでもないわ』

前よりいい男になった……なんて、言ったらきっと貴方は困惑するでしょうね。

『小野寺、収録は終わった？』

｢んー、あともうちょっと。石上、アンタ動画編集できる？｣

｢えっ、まぁ、一応……生徒会選挙のPVも僕担当だし……｣

『……槙原、貴方そのハサミチョキチョキするの気に入ったの？』

｢うん。なんかいい音じゃない？｣

サイコパスが垣間見えたわ……

『……そうね、じゃあそれをテーマにしてみたら？ねぇ、石上。出来るわよね？』

｢テーマ？言ってくれたら雰囲気的にはそういう感じで編集するけど……｣

『うちのクラスの出し物のテーマ、｢チョキ子の教室｣なんてどうかしら。
ストーリー的には……例えば、少し歪な形の耳をした少女がいてね。
その子が皆の耳を取りに来る……みたいな感じ』

｢あっ、それ良い～！｣

『でしょ？細かい設定は後で決めるとして……』

｢なら衣装はカーテンみたいなサラサラの素材がいいんじゃない？ローブみたいな｣

『ええ、そうね。だったらここは……』

文化祭、絶対成功させなきゃ。