“元”不登校様は告らせたい【不登校ネタ】 (ページ1)

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四十七話ページ1

ある日の放課後、遅くなった事を謝ろうと思いながら私は早足で生徒会室へ向かっていた。

今日は石上にクッキー作ってきてあげたから、石上が帰らないうちに行かないと……

『すみません、遅れました。』

｢あっ、Aちゃん～！Aちゃんも、恋バナしますか？｣

『えっ、あっ、恋バナ……ですか。あっ、それより石上は？』

｢石上くんなら発売日がどうとか言って帰りましたよ。何か用事でも？｣

『あ、用事とか言う程の事じゃないので。明日済ませます。』

しょうがないから、クッキーは明日二人きりになった時渡そう。

伊井野に見つかると全部食べられちゃいそうだし……

『それで、伊井野は？』

｢風紀委員の仕事があるみたいで、そのまま帰るそうです。｣

『そうですか。なら私も帰』

｢しませんよ？貴方も犠牲になってください。死なば諸共です。｣

『清々しい程の身内売ですね、尊敬します。』

半ば無理矢理四宮副会長に座らせられる。ソファーで良かった。

『恋バナといっても、何を話すんですか？見た所伊井野にも好きな人は居なさそうですけど』

驚く位石上に対して嫌悪の色を示してる。会長に対しても尊敬の眼差ししか向けてないみたいだ。

｢そりゃあ勿論……ねぇ、かぐやさん｣

『何……なんですか、ニヤニヤして……』

｢詰まる所、藤原さんは天羽さんの恋バナを聞きたいらしいですよ｣

『はぁ、私の恋バナですか……あるにはありますが、あまり面白い物でも無いと思いますけど』

告らせたいだとか、まず引かれるとしか思えない。

｢恋バナはどんな話でも面白いですよー！あるんだったら話してください！｣

『……まぁ、そんなにご所望なら。……好きな人、ですか。
あんまり、そういうのはわからない…と言うんでしょうか。
私、この前やっと自分の想いに気付いたばっかなので……まだ、右も左もわかってなくて……
とにかく、自分がい…相手の事を好きって言う事しか、頭になくて……』

顔の温度が上がっていくのがわかる。自分がこんなにウブだと思ってなかった。

｢で！？そのお相手は、誰なんですか～？｣