☆新学期な私たち ページ6
｢で、あるからして、最初とは大切な物であり……｣
ああー、始業式ってこれが嫌なのよね。
久しぶりに着た制服もなんだか、違和感があるし。
早く終わらないかなー、終わったら予備校で石上とお喋り出来るのに。
……あ、石上見つけた。こっち向いた！
誰にもバレないように、人の事をよく見てる石上だけには分かるように。
微かに、私は指先を動かして手を振った。
｢……｣
あ、ちょっとニコってした！！
私だけに分かるように、ほんの微かに！！！
うずっ、うずうず。
珍しく制服の前を閉めた石上に胸が疼く。
ダメよ耐えて私、今は始業式中だし、何より学校よ！！
石上と仲が良いなんて、石上の事好きだなんて周りに知れたら私のスクールカーストも最底辺に落ちる！！
友達との付き合いもあるしそれだけは避けたい、石上だってそれを理解してくれてる。
けれど言いたい！！私は夏休み、いっぱい石上とイチャイチャしたのよって！いっぱい、それはもう沢山キスをしたのよって言いたい！自慢したい！！
私の石上はすっごく格好良いのよって！！皆に触れて回りたい！！
でもお願いだから我慢よ甲斐A！
石上の優しい所とか、良い所が皆に伝わってからそういう事はするべきなのよ。
……あ、一人居るじゃん。石上の良さを分かってて、安易に人に言い触らさなくて、私と仲が良い人。
｢かぐやせーんぱい！｣
｢あら、Aさん。石上くんならもう帰ったけれど｣
｢いいえ、今日はかぐや先輩とお話したくて来たんです。聞いてくださいかぐや先輩！石上ったら、凄く格好良いんですよ！二人で旅行に行った時は私が一番楽しめるよう予定を組んでくれて、夏祭りでは浴衣を綺麗だって！可愛いって！褒めてくれたんです！｣
｢あら、会長は私が花火を見れないとメールを送ったら探し出して見つけてくれましたよ。タクシーの窓から見える花火はそれはそれは綺麗で、素敵でした｣
きゃー！ロマンティックぅ！
｢そういえばかぐや先輩、石上の告白アイディアをズタボロにしたらしいじゃないですか。あれのどこが気持ち悪いんです！？私はあんな告られ方したら、キュンキュンしてしまいます｣
｢ええー……貴方もそっち側の思想を持った人間なんですか……普通に考えて気色悪いでしょう、名前も知らない誰かが毎日自分の机に花を置いて行ったり、特に何も思ってない男子から突然アルバムをプレゼントされるのよ？私ならまず通報するわ……｣
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作者名：白米 | 作者ホームページ：http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/
作成日時：2022年5月24日 21時
