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｢メスの顔って……何それひっどーい！！だって石上の事見てたら……なんかその……胸の辺りがっ、んっ｣
なに、なになになに！急にキスされ……っ！
今日は石上がグイグイ来る！！
あ、舌……また入って……
壁に押し付けられて抑えられていた腕を解かれ、キスをされながら抱き寄せられる。
えっ何、やばい何これ、キスで気持ち良いのに……抱き寄せられるとなんか……良い……
急に唇を離され、暑さからか、石上の頬につうっと汗が伝うのが見える。
｢石上……もうしないの……？｣
｢や……もう、これ以上はほんとに……学校の中でするのは、色々あって自分を抑えられる自信が無いから……｣
｢お願い、も一回｣
｢だから嫌だって｣
｢お願いだからっ｣
｢……お前自分のビジュ分かって言ってるだろ｣
当たり前だ。
私だって馬鹿じゃない、これまでの人生経験から自分が可愛い事位分かっている。
それを武器にして何が悪い？初めて出来た好きな人……それを手中に収める為なら、私はどんな手段だって厭わないつもりだ。
｢……本当、俺以外にその顔するなよ。絶対落ちるから｣
｢私、石上以外にこんな顔しないよ？｣
公務員を目指す私としては、大企業の役員だとかの子供にごますりしてもメリット無いからね。
｢……ま、今なら人来てないし……良いか｣
石上が私の頬に手を触れる。
目を瞑り、唇が触れ合う瞬間。
｢……何してるんですか、藤原先輩｣
｢あれーっ、バレてたんですね……続きをどうぞごゆっくり〜｣
｢そんなガン見されて出来る訳無いでしょう｣
｢石上くんもあっち側の人間になるんでしょ、分かってますよ……三人に一人……｣
｢意味が分かりませんて｣
あーらら、石上が興醒めしちゃった。
こうなったらもう希望は無いかな……今日はこのまま帰ろう。
｢石上、今日は私の家に寄ってよ。美味しいケーキがあるんだけど｣
｢ああ、うん。頂くよ。じゃあ藤原先輩、また明日｣
また明日、ですって！明日も会うんだわ！
まあそりゃ、生徒会役員なんだから当たり前なんだろうけどさ。
私には、また明日なんて言ってくれた事ないのに。
まだ、一言も喋らない日だってあるのに。
藤原先輩だけズルいなぁ、石上と明日を共有出来るなんて。
あーあ、まだまだ石上のトクベツな女の子にはなれそうにないな。
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作者名：白米 | 作者ホームページ：http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/
作成日時：2022年5月24日 21時
