☆迷惑する私 ページ37
｢Aー、今日カラオケいくべ｣
｢二人で？……そう、ごめん今日予定入ってる｣
石上以外の男と二人きりとか無理無理無理、絶対嫌……
なんとなく浮気をしてる気分になるし……
｢なんの予定だよ？｣
｢勉強。私歌うの得意じゃないし遠慮しとく｣
今日終わらせたいワークがあるのよね、カラオケなんて行ってると終わりそうに無いし……
｢良いじゃん、明日でも出来るって｣
｢時は戻らないんだよ、本当ならこの昼休みだって勉強してたい位なんだから｣
｢一年のうちからそんなに詰めすぎると疲れるだろ？良いから来いよ。部屋取ってあるから｣
｢一人で歌ってくれば？私は行かない｣
｢頼むから来いよー｣
……しつこい……
｢何してんの？甲斐、明らかに嫌がってるけど｣
い、石上……！
｢別に良いだろ｣
｢もう諦めれば？甲斐がお前の事うざったそうにしてるの分かってるだろ｣
きゃああ、助けてくれないかなーって考えてた！
来て欲しい時に来てくれる、そういうの素敵！！
｢二人きりでカラオケとか……絶対"ワンチャン狙ってる"だろ。生憎だけど、そんなにこいつ軽くないぞ。
ていうか何？何してんのかって問いに別に良いだろって……返答として成立してなくね？
保健体育の実技する前に日本語の勉強したらどうなんだ？｣
なんか上手い事言ってる……？
｢石上のくせにるっせーな……何、Aの事狙ってるん？無理無理、良い所見せようとしたって釣り合わないよ｣
｢良い所見せようとしてるつもりはなかったけど、うん。確かに今のお前と俺では俺の方が圧倒的に格好良いな｣
うんうん！それ自分で言っちゃうのはちょっとアレだけど、差し引いても石上の方が格好良い！
｢生意気なんだよっ、お前！あんな事件起こしたくせに生徒会なんて入りやがって！どうせ先輩の事変に唆して｣
｢それ。俺の事だけじゃなくて生徒会の事も侮辱してるぞ？第一俺は割と最初嫌々入ったんだからその理論は成立しない｣
淡々と相手に言葉のナイフを突き立てていく石上。
……まあ、そりゃ……藤原先輩と渡り合うんだもんね……
｢まあとにかく、甲斐の事離せ。嫁入り前の身体に痕でも残ったらどうするつもりだよ｣
や、やだ嫁入りだなんて……石上ったら気が早いんだから！
｢……うん、行ったな。甲斐、痕とか残ってない？怪我は？他に何かされたとか｣
｢うん、大丈夫……石上、ありがと……助かったわ｣
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作者名：白米 | 作者ホームページ：http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/
作成日時：2022年5月24日 21時
