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｢……ん｣
まぶたが重い。
ああ、私は確か……石上を家に泊めて。
で、部屋が無くて同衾する事になったんだっけ。
だとしたら、私を抱きしめるこの腕は……
｢石上痛い痛い痛い、もっと緩めて｣
起きねぇ……
何よ石上、もしかしてロングスリーパー？
上手くクルっと石上の腕を外し、顔を洗って歯を磨いて丁寧にメイクして、髪を整えたらいつもの私の完成だ。
部屋に戻ると、石上は可愛らしい寝顔ですやすやと穏やかな寝息を立てていた。
｢石上っ、早く起きて。もう十時過ぎよ｣
｢……ん……あ、天使……？そうか僕は死んだのか……｣
｢てっ……だ、誰が天使よもう！貴方はちゃんと生きてるわ｣
｢可愛い……本当に可愛いな……周りの目とか正直どうでも良いから襲って良いかな｣
｢いっ……良い訳無いでしょう！！？私たちはまだっ……てそうじゃなくて！貴方寝惚けてるのよ、顔洗ってきなさい！｣
石上を部屋から追い出し、ベッドに腰かける。
……石上の匂いだ……
石上は私を抱き枕にして……寝起きでああって事は、普段から襲いたいとか考えてるんだ……
他の子にもそういう事思ってるのかしら。
……弱気になっちゃダメね。
石上がそういう事考えるのは私だけ！石上の興奮材料は私だけの特権！石上は私とイチャイチャし過ぎて最早私でしか興奮出来ないのよ！
……自分で言ってて虚しくなってきた……
……石上の香りがまだ……石上が、ここで……さっきまで寝てたのよね……
私の事抱きしめて、まるで恋人同士みたいに……
石上の使ってた枕……石上の匂い、なんか好き……
私こんなに変態っぽかったっけ、魅力って人を狂わせるのね……
｢……っ、石上……好きっ、好き……なんで伝わらないのっ｣
家にまで呼んで、同衾して。
もうそろそろ告ってきてくれても良い頃なのに。
私から告白するのは絶対に嫌、それはまあ、成功する確率の方が圧倒的に高いけど。
もし。
もし、断られたら。
｢あ、ああ……甲斐さんってそうだったの……？
ごめん、なんてーか……甲斐さんの事は、友達以上には見れないというか。好きではあるんだけど、それは恋愛感情じゃないっていうか……｣
……絶対に嫌！！！！
怖い！！石上に断られたら……考えるだけでも怖気がする、怖すぎるっ！！
｢……甲斐、て呼んじゃダメなんだっけ……A、おはようゴザイマス……｣
｢あ、ああ石上、おはよう……適当に何かご飯作るわね｣
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作者名：白米 | 作者ホームページ：http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/
作成日時：2022年5月24日 21時
