･ ページ32
｢おやすみなさい、お兄さん｣
｢おやすみ優君、A。明日が休みだからってあまり羽目を外しすぎるなよ？呉々も生はやめておくように｣
重ね重ね思春期真っ只中の妹になんて事を言うの！！
｢……二人っきりだな｣
｢二人っき！｣
そうよね、今は私の部屋とはいえ、男の子と二人きり……お兄さんが言ってた通り、何も起きない保証は無い。
でも落ち着いて甲斐A、大丈夫。私たちはもうキスまでしてるし、ほとんど付き合ってるみたいなものよ。
ここまで持ち込めたなら告白なんて簡単。向こうもそう思ってる筈……私から告白しやすい雰囲気を作ってあげれば良いの。
そうよ、
居ないって答えられたらそのまま告白の流れに持ち込めるし、居るって答えられたら……まあ、その時は私しか居ないわよね！
断じて……私以外と付き合ってるなんて……そんな、筈は。
｢い、石上は……その……今、つ、つつっ、ちゅきあってる、人とかは｣
噛んだ───────☆
なんでこういう時に私の舌は回らないの！
｢……？ああ、付き合ってる人？居ないよ、こんな俺を好く人なんて居る訳無い。何より、俺は……俺には、好きな人居るし｣
｢好っ……！？！？｣
えっ！？嘘、あれっ！？告白してこない！？今すっごくしてくると思ってたのに！
好きな人……って、私？私なの？
好きな人って私？って訊いて良いの？自意識過剰だと思われない？
もしそうだった場合なら……
｢実はそうなんだ……甲斐さん、俺と付き合ってくれ！｣
ってハッピーエンド！
でも、もし違ったら……
｢は？いや違うけど？何、自意識過剰？きもっ｣
……〜！！！それだけは嫌、絶対に嫌！
生まれてこの方、人に本気で拒絶された事なんて無いんだもん！！耐えられる筈ない！
｢好っ……き、な人……って、ち、近くに居るのかしら！もしチャンスある相手なら、こんな所でお泊まりなんかしてる場合じゃないと思うけど！｣
｢……や、まあ……チャンス……あるのかなぁ。
相手には……｣
ギシ、とベッドが軋む。
｢ここまでしても気づいて貰えなかったんだけど｣
背中にはベッド、目の前には石上。
間違い無い。
今私、押し倒されてる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 41人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白米 | 作者ホームページ：http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/
作成日時：2022年5月24日 21時
