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｢俺は、甲斐さんの意思に合わせるというか｣
｢｢え？｣｣
｢生憎僕たちはどっちも甲斐だからねぇ、出来れば名前で呼んで欲しいな。お兄さんか、颯斗さんと｣
｢まあ、家だから……Aって呼ぶ事も許すわ｣
Aちゃんってのも良いかも……ちゃん付けって、一回されてみたいわ！
｢あ、えと……じゃあ、颯斗さんと、A……ちゃん？さん？｣
｢呼びやすい方で呼んで？呼び捨てでも良いわ、どうせ家の中だけだから｣
｢じ、じゃあ……A、で｣
きゃーーー！！！呼び捨て！呼び捨てしてくれたっ、石上が私の事！
Aって！Aって呼んでくれた！
嬉しいわ、明日まで名前呼びなのね！
｢それで、寝る場所はどうする？A、優君と一緒で寝れるかい？ベッドの大きさ的には充分行けると思うけど｣
｢私は構いませんよ。すぐ寝付く方だし、石上が良いなら｣
何より石上との距離を縮めるチャンス、逃す訳にはいかない！
｢俺も、異議は無いです｣
｢OK！じゃあ、二人は一緒に寝てくれ。
僕は日付が変わる頃に寝るから、やる事やるのは早くとも半からな｣
思春期の妹になんて事を！
ま、まあ可能性が無い訳じゃ無いし……後でスキン買っておこうかな……
｢じゃあ私、晩御飯買い出し行くけど何か食べたい物ある？｣
｢俺は特に……｣
｢僕、生姜焼きが食べたいなあ｣
お兄さんが挙手して言う。
｢OK、今日の晩御飯は生姜焼きですね。石上、苦手な物あったら困るし着いてきて｣
｢あ、うん｣
部屋で私服に着替えて、私は石上と家を出た。
石上に手料理を振る舞うなんて素敵、絶対失敗しないようにしなきゃ！
｢今日の晩御飯は生姜焼きにするけど、石上は何か食べたい物ある？｣
｢いや、特に無いよ｣
｢そう。じゃあ適当に買っちゃうわね｣
豚と、生姜と、タレと……ああ、胡椒きれてたっけ。
｢凄いな甲斐さんは、勉強だけじゃなく料理も出来るのか｣
｢親がしょっちゅう朝帰りだから、一応ね。得意って訳じゃないけれど｣
｢簡単な物しか作れない俺からしたら十分羨ましいよ｣
石上も簡単だったら料理が出来るのね！
今度石上の手料理も食べてみたいわ。
｢甲斐さんはきっと、良い奥さんになるんだろうな｣
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作者名：白米 | 作者ホームページ：http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/
作成日時：2022年5月24日 21時
